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ICL手術後に視力が低下することはある?ICL手術の安定性について眼科医が解説!

近年、屈折矯正の治療法として注目を集めているICL手術。
目の中に人工の眼内レンズを挿入し、屈折異常を矯正することで裸眼で過ごせるよう視力を矯正する手術です。

ICL手術で使われるレンズは体適合性が高く、半永久的に使用することができ、必要があれば後々レンズを取り出したり交換したりすることも可能です。

安全性の高さも人気の理由であるICL手術ですが「術後に視力が再び低下する」といったリスクはあるのでしょうか。

今回は、ICL手術後に視力が再び低下することがあるのか、ICL手術の安定性について解説いたします。

この記事でわかること

  • ICL手術後の視力の再低下について
  • ICL手術の安定性
  • 術後に視力が変化した場合

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ICL手術後に視力が再び低下することはある?

icl 視力低下

目の中にレンズを挿入することによって裸眼視力を回復させるICL手術。
安全性が高く、術後の見え方も良好であるとして近年人気の高い屈折矯正治療ですが、ICL手術を検討している方の中には「術後視力が再低下するのではないか」「数年で再手術が必要になるのではないか」と不安な方もみえると思います。

比較的負担の少ない手術であるとはいえ、手術費用は高額なので、数年で視力が低下してしまい再び手術が必要になる…というのは避けたいところですよね。

同じ屈折矯正手術であるレーシックは時間とともに視力が落ちる「近視戻り」があると報告されていますが、ICL手術は近視が進行しない限り視力が落ちることはありません。

ICL手術は長期的に視力が安定し、近視戻りが少ない手術です。
ICL手術後10年経過した方のほとんどが視力1.0以上を保っており、網膜剥離や感染症といった他の病気の発症がない限り元の視力より悪くなることはないと評価されています。

元の視力に関わらず近視戻りが少ない手術であり、長期にわたって良好な見え方が維持できると期待できる手術と言えます。

しかし、近視がまだ進行している若い方の場合は手術後再び視力が落ちる可能性があります。
術後良好な視力が保てない可能性があるため、成長期で視力が安定していない18歳未満の方はICL手術の適応外となっています。

ICL手術後、近視度数など視力が大きく変化した場合はレンズが合わなくなり良好な視力が得られなくなりますので、 医師に相談の上、レンズの取り出しや交換を検討する必要があります。

ICL手術を受けていても、加齢によって老眼が始まると近くが見えにくくなり、老眼鏡が必要となる場合もあります。
また、白内障などを発症した場合はICL手術を受けている場合でも白内障手術が必要となります。

ICL手術を受けた後白内障になった場合はどうなる?
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ICL手術によって白内障になるリスクは?将来白内障になった場合はどうなる?

ICL手術後に近視が進行して視力が再低下した場合

近視が進行し、ICL手術後何年か経って視力が再び落ちてしまった場合は、ICLレンズの度数を変更し、レンズを入れ替えることで再び視力を回復することができます。

個人差はありますが、近視は学童期に始まり、進行は20歳半ばで止まることが多いです。
若いうちは身体だけでなく目も成長段階にありますので、メガネやコンタクトレンズの近視度数が強くなっている傾向にある方は手術を受ける時期を検討した方がいいかもしれません。

ICL手術後に期待した見え方にならないことがある?

矯正度数が最適でなかったり、乱視が予想外に残ってしまったりすると術後に期待した視力に届かず、良好な見え方にならないことがあります。
医師の判断でレンズを入れ替えるための再手術を行うこともあります。

しかしICL手術はレンズの入れ替えが可能な手術とはいえ、安易に入れ替えることはおすすめできません。
眼鏡やコンタクトレンズの場合はレンズを変えれば済みますが、ICLは手術ですので、入れ替えとなると再手術で多少なりとも目に負担をかけてしまい、大切な角膜の細胞が少なくなってしまうリスクなどがあるからです。

度数のズレなどで再手術になるのを防ぐためにも、手術前の検査で目の状態や視力を正しく測定し、精度の高い結果を得てレンズを選定することが重要になります。

正しい検査結果を得るためにも、検査前のコンタクトレンズ装用中止期間をしっかりと守ったり、服用している薬がある場合は漏れのないよう申し出を行うなど、医師の指示に従って検査に臨むようにしましょう。

手術直後は見え方が不安定になることも

ICL手術直後は多少の炎症があったりと手術の影響で視界がぼんやりとして見え方が不安定になります。
基本的には数日から1週間ほどで見え方が安定しますが、人によっては1〜3ヶ月ほどかかる場合もあります。

また、眼内にレンズを挿入するために3ミリ前後の切開創を作りますが、その傷口がしっかりと塞がるまでの2〜3週間ほど一時的に乱視が発生することもあります。

光がにじんで見えたり、光の周りにリングがあるように見えたりする現象をハロー・グレア現象といい、こちらもICL手術後に現れる可能性がありますが、1週間〜数ヵ月程度で改善していく場合がほとんどです。

ハロー・グレアについて詳しくはこちらの記事もご一読ください。
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ICL手術の合併症の一つ「ハロー・グレア」について眼科医が徹底解説!

ICL手術後に再び近視にならないよう気をつけよう!

icl 視力低下

ICL手術を受けた後も、変わらず目を酷使するなど目に優しくない生活を続けていると新たに近視が出るなどして視力が低下してしまうことがあります。

ICL手術後、元の視力まで戻ってしまうということは基本的にありませんが、新たな近視によって視力が低下しないよう、近視にならない生活習慣を意識することをおすすめします。

近視にならないための生活習慣

ICL手術後に再び視力が低下してしまわないために以下のような生活習慣を心がけましょう。

①正しい姿勢

スマートフォンや本など物を見る時は背筋を伸ばし、正しい姿勢を心がけましょう。
悪い姿勢で物を見続けると近視の進行リスクが高まります。

30cm未満に近づけて見ると近視が2.5倍増えると言われていますので、パソコンやスマートフォン、本などを見る時は30cm以上離して見るようにしましょう。

また、寝転がりながら片方の目を近付けた状態でスマートフォンや本を見ると片方の目だけ眼軸が長くなって近視が進むことがあります。
両眼とも適切な距離を保ち、左右差が生じないように意識しましょう。

バスや電車など動く環境で本などを読むのも目に負担がかかるとされていますので、避けた方が良いでしょう。

②適切な明るさ

適切な明るさのもとでスマートフォンや本などを見るようにしてください。
照明は300ルクス以上の明るさであることが望ましいです。
LED電球の場合は700~1000ルーメン、白熱電球の場合は40〜60Wが目安です。

電球色はやや暗く感じることが多いため、昼光色もしくは昼光色+電球色のミックスがよいとされています。

③目を休める

長時間の作業は近視の進行リスクを高めてしまいますので、パソコンやスマートフォンなどで作業をする際はこまめに休憩をとり、目を休ませるようにしましょう。
具体的には1時間の作業に対して10〜15分ほどの休憩が理想です。

また、定期的に目のストレッチをすることで緊張した目の筋肉を伸ばしてリラックスすることができます。
上下左右に目をキョロキョロと動かし、さまざまな方向を見ることで、凝り固まった目の筋肉をほぐすことができます。
まばたきを意識的に行うことも効果的です。

目の疲れを取るためのストレッチについて詳しくはこちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
↓↓↓↓

まとめ

今回は、ICL手術後に視力が再び低下することがあるのか、ICL手術の安定性について解説いたしました。
ICL手術後の視力は長期的に安定するとされており、基本的に近視が戻ることはほとんどありません。
一度手術を受ければ、コンタクトレンズのようにケアやメンテナンス不要で半永久的に良好な視力が続くと期待できます。

ただし、近視の進行や他の病気の発症による視力低下はあり得ます。
そのため、手術後も目の健康に配慮し、視力が下がらないような生活習慣を心がけるようにしましょう。

ICL手術の流れやメリット・デメリット、合併症等のリスクについても詳しく知りたいという方は、以下の記事に詳しくまとめていますのでこちらもぜひチェックしてみてくださいね!
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【眼科医監修】ICL・眼内コンタクトレンズとは?治療のメリット・デメリットや費用について徹底解説!

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