目の中に小さなレンズを挿入することで近視をはじめとする屈折異常を矯正することができるICL手術。
良好な裸眼視力が長期的に維持できると期待されており、メガネやコンタクトレンズなしでスポーツを快適に楽しみたいという方にも適しています。
ICL手術後は時間の経過と共に手術時の切開創が治っていきますが、手術直後は安静にする必要があり、日常生活にはすぐに戻れるものの運動やスポーツは一定期間控えなければなりません。
今回は、ICL手術後いつからスポーツができるのか、また、ICL手術後避けた方が良いスポーツがあるのかについて解説したいと思います。
この記事でわかること
- ICL手術後いつからスポーツや筋トレをしてもいいのか
- ICL手術後に避けた方がいいスポーツはあるのか
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ICL手術後のスポーツや筋トレはいつから始めてもいい?
ICL手術は角膜を数ミリ切開し、そこから小さな眼内レンズを挿入することで視力を回復するという手術です。
手術は日帰りで、両眼で10〜15分程度で終わる負担の少ない手術です。
術後徐々に見え方が安定していき、日常生活に戻れるようになりますが、手術の際にできた切開創が塞がるまでにはある程度時間がかかります。
それまでは感染症のリスクを最小限にするためにも、一定の制限があることを理解しておきましょう。
運動は術後一定期間の制限がある項目の一つです。
術後の経過には個人差があるため、ICL手術後のスポーツや筋トレの再開時期は、検診で医師に判断を仰いでください。
一般的な目安としては、ウォーキングやジョギングなどの軽い運動は1週間後から、筋トレやランニング、ゴルフ、ヨガなどは2週間後から、水泳やテニス、バドミントン、卓球などの球技は1ヶ月後から可能になります。
目の中に水が入る可能性が高いため、マリンスポーツは1ヶ月ほど空けた方が良いでしょう。
また、水泳でゴーグルを使用する場合は、目が圧迫されるため、より慎重な判断が必要です。
ゴルフの場合は走らない、力まないなど、運動強度を弱くできるのであれば術後2週間ほど、ラウンドの際に走るなどいつも通り気にせずプレーしたい場合は術後1ヶ月ほど空けた方が良いでしょう。
また、ICL手術後に運動をしても良いと医師から判断された場合でも、目や顔面に怪我をしないよう十分に注意を払うようにしてください。
裸眼でスポーツができるようになったと言っても、ICL手術も眼内にレンズが挿入されている状態です。
メガネやコンタクトレンズでスポーツをする時と同様、ボールなどが顔や眼に当たるとリスクがあります。
ICL手術で使われるレンズは非常に柔軟性があり、強い衝撃などが加わることでレンズが割れたりすることはありません。
しかし、稀に衝撃によって目の中でレンズがずれてしまうことがあるため、注意が必要です。
⚫︎ICL手術後のスポーツに関する制限の目安
ウォーキング、軽いジョギング ストレッチ 等 |
1週間後から |
筋トレ、ランニング、ゴルフ、ヨガ 等 |
2週間後から |
野球、サッカー、テニス、バスケットボール、バレーボール バドミントン、卓球、水泳、マリンスポーツ スキー、スノーボード、ホットヨガ 等 |
1ヶ月後から |
ICL手術後の激しい運動は危ない?向いていないスポーツはある?
ICL手術は目の中にレンズを挿入することで屈折異常を矯正する手術であり、術後は裸眼で快適な視力が保てるようになります。
そのため、運動中にメガネが落ちたりコンタクトレンズが外れたりといった心配をする必要がなくなります。
汗が目に入ったり、屋外でスポーツをしていて砂ぼこりが目に入るなどしても、コンタクトレンズほど支障をきたさないのもメリットと言えるでしょう。
ICL手術は魅力の多い屈折矯正手術ではありますが、万能ではありません。
激しいスポーツには向いていないからです。
目の中にレンズが入った状態であるため、格闘技など顔に強い衝撃を受けるスポーツは不向きです。
顔や目に強い衝撃を受けると、レンズがズレてしまう(レンズ偏位と言います)ことがあります。
レンズ偏位が起きると視力に影響が出るだけでなく、眼圧上昇や虹彩炎を引き起こすリスクがあり、危険です。
格闘技などの激しいスポーツをされる方の中にも、近視などに悩み、視力矯正を検討している方はいらっしゃると思います。
激しいスポーツをされる方は「LASEK(ラゼック)」や「SMERT(スマート)」などの他の屈折矯正手術の方が適している可能性がありますので、医師に相談をしてみてください。
まとめ
今回は、ICL手術後いつからスポーツができるのか、また、ICL手術後に避けた方が良いスポーツはあるのか、について解説いたしました。
目への外部刺激や感染症のリスクを最小限にするためにも、汗をかく運動や水泳・マリンスポーツなどの水中で行う運動は医師にしっかりと相談し、術後の経過を踏まえて判断を仰いでください。
また、柔らかいレンズとは言え目の中にレンズが入っている状態なので、顔に強い衝撃を受ける可能性がある格闘技などの激しいスポーツには避けた方が良いです。
安心してスポーツを楽しむためにも、手術後の制限や医師の指示を守って過ごしましょう。
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