SMERT(スマート)は、エキシマレーザーを使用した屈折矯正手術の一種です。
角膜の厚みが足りない方でも受けられる可能性がある適応範囲の広い手術で、格闘技など強い衝撃を受けるスポーツや人との接触が多いスポーツなどをする方に向いています。
今回は、SMERT(スマート)とはどのような屈折矯正手術なのか、メリット・デメリットやレーシックとの違いについて解説いたします。
この記事でわかること
- SMERT(スマート)とは
- SMERT(スマート)のメリット、デメリット
- SMERT(スマート)とレーシックの違い
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屈折矯正手術「SMERT(スマート)」とは
SMERT(スマート)は屈折矯正手術の一種です。
フラップを作成せず、角膜上皮のみを除去し、エキシマレーザーを角膜に照射して角膜の形状を変化させることで屈折率を矯正する手術です。
フラップを作らないため、フラップトラブルのリスクがなく、格闘技やラグビーなど人との接触が多い激しいスポーツをする方にも向いています。
また、角膜の厚みを多く残すことができるため、角膜の厚みが足りずレーシックが適応とならなかった方も手術を受けられる可能性があります。
角膜の強度を保てるため、近視の戻りが少ないことも期待されている治療法です。
ただし、角膜上皮の再生に数日から1週間程度かかるため、術後数日は痛みがあり、視力の回復にも時間を要します。
また、治るまでの期間は保護用のコンタクトレンズを装用して過ごす必要があります。
SMERT手術は冨田実アイクリニック銀座で受けることができ、費用は両眼で27.5万円(税込)です。
角膜強化法(クロスリンキング)を併用することも可能で、角膜強化法の場合の費用は両眼で36.3万円(税込)となっています。
⚫︎角膜強化法(クロスリンキング)とは
角膜にビタミンB2を点眼し、365nmの紫外線を照射することで、角膜内のコラーゲン線維を強化する治療法で、術後の合併症を減らし、近視の再発を防ぐ効果が期待できるとして高い評価を受けています。
照射される紫外線は安全な強さに調整されており、副作用のリスクもなく非常に安全性の高い方法です。
<SMERTのメリット・デメリット>
◆メリット
・フラップを作らないためフラップトラブルのリスクがない
・角膜が薄い方も適応となる可能性がある
・激しいスポーツや格闘技をする人にも適している
◆デメリット
・強度近視の方は適応とならない場合がある
・レーシックと比べて術後の痛みがある
・視力が安定するまでに時間がかかる
<SMERTの手術の流れ>
SMERTの手術の流れは以下の通りです。
手術は両眼で5分程度です。
①点眼麻酔
点眼で局所麻酔を行います。
②角膜上皮を除去
エキシマレーザーを角膜表面に照射し角膜上皮を除去します。
③角膜にレーザーを照射
エキシマレーザーを角膜に照射し、屈折率を矯正します。
④角膜強化法
※角膜強化法を選択している場合
ビタミンB2を点眼しながら、安全性の高い紫外線を照射し、角膜内のコラーゲン繊維を強化します。
③終了
消毒し、 保護用コンタクトレンズを装用したら手術は終了です。
スマートとレーシックの違いは?
「エキシマレーザーを角膜に照射し、角膜の形状を変化させることで視力を矯正する」と、この部分だけ見るとレーシック手術と同じではないか、という印象を受けるかもしれません。
しかし、スマートはフラップを作成せず、角膜上皮のみを除去する点がレーシックと異なります。
<スマートとレーシックの違い>
レーシック |
ラゼック |
|
手術方法 |
フラップを作成し、 フラップをめくってエキシマレーザーを照射 |
角膜上皮を薬品で柔らかくしてめくり
エキシマレーザーを照射 |
フラップの |
角膜表面にフラップを作成する | フラップを作成しない |
痛み |
痛みが少ない | 術後3〜4日間程度痛みがある |
回復 |
比較的早い 術後翌日〜数日で視力が回復 |
1週間程度で視力が回復 レーシックよりも時間がかかる |
適応範囲 |
角膜が薄い人には適さない場合がある | 角膜が薄い人や 強度近視の人も適用となる可能性がある |
スポーツ |
格闘技やラグビーなどの 激しいスポーツには不向き |
格闘技やラグビー等の 激しいスポーツをする人にも適している |
フラップ |
フラップトラブルのリスクがある | フラップを作らないため フラップトラブルのリスクはない |
費用相場 |
15〜30万円 | 20〜30万円 |
レーシックは、角膜表面にフラップと呼ばれる蓋の役割をするものを作ります。
フラップをめくった場所にある角膜実質にレーザーを照射して角膜を削り、その後フラップを元に戻します。
レーザーで削った傷をフラップがカバーしてくれるため比較的痛みが少なく、回復が早いのが特徴です。
個人差はありますが術後翌日から視力が改善されることが多く、日常生活やスポーツにも比較的早く復帰することができます。
一方、スマートはフラップを作成せず、角膜上皮を除去した後、角膜にレーザーを照射して屈折率を調整します。
フラップを作らないためフラップトラブルが起きないという利点があるものの、術後数日間〜1週間程度は目の痛みがあり、視力回復にも1週間程度の時間を要します。
スマートは適応範囲が広く、レーシックが適応とならなかった角膜が薄い人も手術を受けられる可能性があります。
また、フラップを作らないため、フラップトラブルのリスクがなく、格闘技やラグビーといった人との接触が多い激しいスポーツをされる方にも適しています。
その反面、早くて術後翌日には視力が回復するレーシックに比べ、術後の回復期間が長く必要となり、日常生活やスポーツへの復帰に時間が必要となる点に注意が必要です。
それぞれの手術でメリット・デメリットが異なるため、医師と相談の上、個々の目の状態やライフスタイルに合った治療方法を選択するようにしましょう。
似たような屈折矯正治療に「ラゼック」という手術がありますが、ラゼックは角膜上皮をめくって施術をし、除去せずに元に戻すのに対し、スマートは角膜上皮を除去する点が異なります。
ラゼックについて詳しくは以下の記事でまとめていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
*ラゼック記事
まとめ
今回は、SMERT(スマート)とはどのような屈折矯正手術なのか、メリット・デメリットやレーシックとの違いについて解説いたしました。
SMERTは適応範囲が広く、角膜の厚みが足りずレーシックが適応とならなかった方でも手術を受けられる可能性があります。
また、フラップを作成しないため、格闘技などの激しいスポーツをされる方に向いている治療とされている手術方法ですが、レーシックに比べて痛みを感じやすく、視力の回復に時間がかかるという点もあります。
それぞれの治療法の違いを考慮し、個々の目の状況やライフスタイルに応じて適切な手術方法を選択するようにしましょう。
同じ屈折矯正手術の一つである「ICL手術」についても知りたいという方は、手術の流れや費用相場、メリット・デメリットなどについて詳しく解説していますので、以下の記事もぜひご一読くださいね。
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