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レーシックやICL手術を受けるとなぜ視力が矯正できるの?屈折矯正手術の仕組みを解説

近視や遠視、乱視などを治療する屈折矯正手術には様々な種類がありますが、代表的な手術としてレーシックやICL手術が挙げられます。

レーシックやICL手術を受けることを検討している方、特徴を比較している方は多いと思いますが、そもそもなぜこれらの手術を受けることで視力が矯正されるのかということについては理解していないという方がほとんどかと思います。

そこで今回は、レーシックやICL手術を受けるとなぜ見えやすくなるのか、屈折矯正手術の仕組みについて詳しく解説したいと思います。

目の構造や屈折矯正の仕組みへの理解を深めることで、手術を選択する際の参考にもなるのではないでしょうか。ぜひ目を通してみてくださいね。

この記事でわかること

  • 目の構造について
  • レーシックやICL手術で視力が矯正される仕組み

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ものが見える仕組みとは?目の構造について知ろう

近年注目度が高まりつつあるICL手術。
ICL手術を受けるとなぜ見えやすくなるのか、なぜ屈折異常が矯正されるのか、気になるという方も多いと思います。

その仕組みを理解するにあたって、まずは目の構造について説明します。

目は以下のような大事な役割を果たす器官で構成されています。

icl 屈折矯正のしくみ

角膜

眼球を保護する
外から目に入った光を屈折させるレンズの役割

虹彩

伸縮して瞳孔の大きさを変え、目の中に入る光量を調節する

水晶体

両凸レンズの形をしている
厚みを変えてピントを調節し、また光を屈折させるレンズの役割

硝子体

透明なゼリー状の組織
眼球の形状を保つ
水晶体で屈折された光を網膜に送る

網膜

光を受け取る役割
視神経を通じて電気信号を脳に伝える

目に入った光はレンズの役割をする角膜を通ることで屈折し、虹彩で光量が調節され、ピント調節をする水晶体で再び屈折し、硝子体を通って網膜に送られます。

光は網膜で電気信号に変わり、視神経を通じて脳に伝達され、そこで像として認識されることで「ものが見える」ということになります。

この目の構造はカメラにとてもよく似ています。

icl 屈折矯正のしくみ
画像引用元:株式会社ニコン

光量を調節する虹彩はカメラの絞り、ピントを合わせる水晶体はレンズ、焦点が結ばれる網膜はフィルムにあたります。

屈折異常とは

光は角膜や虹彩、水晶体、硝子体など様々な働きをする目の器官によって網膜まで届けられ、網膜で焦点を結びます。

外から入ってくる光が網膜上でちょうど焦点が結ばれると、ものがはっきりと見えます。
網膜上で焦点が結ばれる状態を「正視」と言います。
いわゆる「目が良い」「裸眼視力が良好」ということです。

網膜上ではなくその前後で焦点が結ばれるとピントがずれてしまい、ぼやけたり、かすんだり、二重に見えたりします。
網膜上で焦点が結ばれない状態のことを「屈折異常」と言います。

屈折異常として近視、遠視、乱視、老眼が挙げられます。

icl 屈折矯正のしくみ

正視

網膜上にちょうど焦点を結ぶ状態
裸眼でものがはっきり見える
屈折
異常

近視

網膜より近くで焦点を結ぶ状態
遠くのものがぼやけて見える

遠視

網膜より遠くで焦点を結ぶ状態
近くのものがぼやけて見える

乱視

焦点が1点に集まらない状態
二重に見えたりにじんで見える

老眼

加齢により目の働きが低下している状態
近くのものにピントを合わせにくくなる

近視は網膜より近くでピントが合い、遠くのものがぼける状態です。
近視の主な原因は目の奥行き=眼軸の長さが正視の状態よりも長いこと、角膜や水晶体の屈折力が強いことなどが挙げられます。

遠視は網膜より遠くでピントが合い近くのものがぼけて見える状態です。
遠視の主な原因は眼軸の長さが正視の状態よりも短いこと、角膜や水晶体の屈折力が弱いことなどがあります。

乱視はものが二重に見えたりにじんで見えたりする状態で、角膜や水晶体の歪みによって焦点が1点に集まらないことで生じます。

老眼は加齢とともに水晶体が硬くなったり、それを支える毛様体の働きが低下するなどして近くのものにピントを合わせることができなくなる状態です。

老眼も網膜の後方にピントが合う状態であるため遠視と混同されることがありますが、遠視と老眼は原因や仕組みが異なります。

どのようなレンズを用いて近視や遠視が矯正できるのかなど、屈折異常についてより詳しく知りたい方はぜひ以下の記事もご一読くださいね。

*link

レーシックやICL手術でなぜ視力が矯正できるの?

屈折矯正手術であるレーシックやICL手術は、どのように近視や遠視をはじめとする屈折異常を矯正しているのでしょうか。

⚫︎ICL手術

icl 屈折矯正のしくみ

ICL手術は、目の中に挿入した眼内レンズを虹彩付近に固定し、光の屈折率を変化させることで網膜に焦点が合うようにして屈折異常を矯正します。

メガネは「目の前」にかけることで、コンタクトレンズは「目の上」にレンズを乗せることで視力を矯正するのに対し、ICL手術は「目の中」にレンズを入れて矯正するというわけです。

メガネやコンタクトは毎日のケアが大切で、特にコンタクトは衛生面にも気遣う必要があり、取り扱いが煩わしいと感じる人も多いと思います。
一方、ICLレンズは目の中に入れたままで取り外す必要もなく、半永久的に使用でき、メンテナンス不要で快適な裸眼生活を送ることができます。

また、人間の目は、近くを見る時でも遠くを見る時でも水晶体の厚さを調節することで見たいものにピントを自動的に合わせることができるという機能を備えています。

白内障手術とは異なり、自身の水晶体を残した状態で眼内レンズを挿入するICL手術は、水晶体によるピント調節機能が温存されるため、近くや遠くどちらか一方のみではなくどちらも鮮明に見えるようになります。

⚫︎レーシック

icl 屈折矯正のしくみ

レーシックの場合は角膜にエキシマレーザーというレーザーを当て、角膜の形状を変えることで光の屈折率を調整し、網膜に正しくピントが合うように矯正します。

一度形状を変えた角膜は元に戻すことができません。
また、レーシック手術にはある程度の角膜の厚みが必要なため、適応外となる方もいますし、再手術をすることも難しいです。
視力の再低下やドライアイになる可能性もあり、これらのデメリットがよくICL手術と比較されます。

レーシック、ICLはそれぞれにメリット・デメリットが存在し、どちらの手術が最適かは人によって異なります。

屈折矯正手術を検討している方は、双方の特性やリスク、術後の見え方などの違いについてもきちんと理解を深めておくと良いでしょう。

眼科医が解説!ICLとレーシックの違いは?どっちがいい?見え方や安定性、後遺症など徹底比較

 

◆◆◆深掘りトピック「収差」◆◆◆


icl 屈折矯正のしくみ

光の「ずれ」のことを「収差」と言い、原因によって低次収差高次収差に分けられます。

低次収差とは、近視・遠視・乱視などレンズで矯正できる収差のこと。
高次収差とは、光が角膜から目に入り、水晶体を通過して網膜に届くまでの個々の目の形状によって生じるわずかな歪みのことです。
一人ひとり異なるため「指紋」のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。

メガネやコンタクトレンズは低次収差を矯正することはできますが、高次収差は矯正することができません。

通常のレーシックの場合(※)、角膜を削ることで高次収差が増加することがわかっています。
ICL手術では角膜を削らないため、手術によって高次収差が増えるということはなく、レーシックに比べてより鮮明な見え方が期待できます。

※高次収差を精密に解析してレーザー照射を行うプログラムが組み込まれたレーシック治療(アイデザイン®アイレーシック®)もあります。
通常のレーシックでは矯正できない高次収差の矯正が可能になったことで、従来よりも見え方の質が向上しています。

レーシックについてもまたの機会により詳しく解説いたします。

まとめ

今回は、レーシックやICL手術を受けることでなぜ近視をはじめとする屈折異常が矯正できるのか、についてご説明させていただきました。
目の構造や視力矯正のメカニズムを知ることで、より一層レーシックやICL手術への理解が深まるのではないでしょうか。

ICL手術の流れや費用相場について知りたい方は以下の記事もぜひご一読くださいね。

【眼科医監修】ICL・眼内コンタクトレンズとは?治療のメリット・デメリットや費用について徹底解説!

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