近視度数が-6.0Dを超えている場合は「強度近視」に分類され、眼鏡やコンタクトなしでは生活を送ることが難しくなります。強度近視でお悩みの方は屈折矯正手術を検討されている方も多いでしょう。
強度近視の方も受けられる手術であるとして注目されているのが「ICL手術」です。
ICL手術は、角膜を削らずに視力を矯正するため、角膜の厚さが不十分でレーシックが適応外とされた方や、強度近視の方にも有効な治療法とされています。
しかしICL手術にも適応条件や一定の制限はあるため、全ての方の強度近視に対応できるとは限りません。
この記事では、強度近視はICL手術で治療できるのか、そしてICL手術の強度近視の適応範囲についても詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- 強度近視とは
- 強度近視はICL手術で治療できるのか
- ICL手術の強度近視の適応範囲について
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強度近視とは
強度近視とは、近視の中でも特に度数が強い状態を指し、一般的に屈折度数が-6.0D(ディオプター)を超える場合や、眼球の前後の長さ(=眼軸長)が26.5ミリメートル以上の場合に分類されます。
強度近視は日常生活において不便な場面が数多くあります。
運転中、遠くの標識や信号が見えづらかったり、学校生活や職場においては黒板やスクリーンの文字が見えにくく、学業や職務に支障をきたすこともあります。
また、スポーツや運動時には、視界が不明瞭であることによって快適なプレーができないばかりか、安全を損なう可能性もあります。
眼鏡のレンズにも厚みが必要になるため、外見的な悩みにも繋がりやすいです。
そのため、強度近視でお悩みの方の中にはメガネやコンタクトレンズでの矯正ではなく、屈折矯正手術による視力の改善を求めている方も多くいらっしゃいます。
強度近視はICL手術で治療できる?
強度近視とは、一般的に屈折度数が-6.0D以上の近視を指し、生活習慣の改善やトレーニングなどによる回復は難しいとされています。
屈折矯正手術であるICL手術は適応範囲が広く、強度近視の方も受けられる可能性が高いです。
ICL手術は角膜を3mm程度切開し、そこから小さなレンズを挿入することで屈折異常を矯正する治療で、両眼で10〜15分ほどで完了する日帰り手術です。
レーシックと異なり角膜を削る必要がないため、角膜の厚みが十分でないなどの理由でレーシックが適応外であるとされた方も、ICL手術であれば受けられる可能性があります。
ICL手術の強度近視の適応範囲は?
ICL手術における強度近視の適応範囲は「-6.0D以上の強度近視であること(-3.0D以上-6.0D未満、-15.0D以上の強度近視については慎重適応)」とされています。
(2019年2月、日本眼科学会の屈折矯正手術ガイドラインが改訂され、ICL手術の適応範囲が以前の-6.0D以上から-3.0D以上に拡大されました。)
国内で流通しているICLレンズの度数ラインナップは−3.0D〜−18.0Dの範囲が主流ですが、-3.0D以上-6.0D未満の中等度近視や、-15.0D以上の強度近視に対しては眼の状態や術後の安全性を慎重に判断した上での適応となるケースが多いです。
ICL手術を受けるにあたっては、まず適応検査を受ける必要があります。
強度近視の程度だけでなく、角膜の状態や他に眼疾患がないかなど詳細なデータを得た上で医師によって手術が受けられるかどうか判断されます。
ICL手術の適応検査の内容については以下に詳しくまとめていますのでこちらもぜひご覧くださいね。
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まとめ
今回は、ICL手術が強度近視にどうアプローチできるのか、その可能性と条件について詳しく解説いたしました。
ICL手術は、これまで視力矯正が難しいとされてきた強度近視の方にとって、有力な選択肢となり得ます。
視力の度数だけでなく、角膜の厚みや目の内部構造など、さまざまな条件によって適応が判断されるため、まずは専門の医師による検査とカウンセリングを受けることが大切です。
自分の目の状態を正確に知ることで、ICL手術が本当に自分に合った治療法かどうかが見えてくるはずです。
強度近視に悩む方は、一度専門機関での相談を検討してみてはいかがでしょうか。
ICL手術の流れや費用相場、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたいという方は以下の記事もぜひご一読くださいね。
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