ICL手術はソフトコンタクトレンズのような柔らかい素材のレンズを眼の中に挿入することで近視をはじめとする屈折異常を矯正する治療法です。
手術にかかる時間は10〜20分程度と短く、傷口も非常に小さいため、患者さんの体への負担が少ない手術です。
しかしICL手術のガイドラインによると「妊娠中・授乳中の方は手術を受けることができない」とされています。
そこで今回は、妊娠中・授乳中の方がICL手術を受けることができないのはなぜかご説明するとともに、産後どのくらい経過したらICL手術を受けることができるかについてお話いたします。
この記事でわかること
- 妊娠中、授乳中にICL手術を受けられない理由
- 産後どのくらい経過したらICL手術を受けられるか
- そのほか女性の体に関するICL手術の気になるQ&A
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妊娠中や授乳中はICL手術を受けることができない?その理由は?
ICL手術の適応条件などを定めたガイドラインによると「妊娠中・授乳中の方は手術を受けることができない」とされています。
妊娠中・授乳中はホルモンバランスの影響で視力が不安定になり、正確な検査結果が得られない可能性があるためです。
そのため、視力が安定するまでは術前検査やICL手術を受けることができません。
また、ICL手術後は抗生剤の内服やステロイド系の点眼薬の処方があります。
薬による身体への影響が全くないと言い切れないため、妊娠中・授乳中の方は手術を受けられないと定められているのです。
産後どのくらい経過したらICL手術を受けられる?
産後、授乳が終わってから3〜6ヶ月程度の期間をあければ術前検査とICL手術を受けることができます。
断乳後3ヶ月ほどで視力は安定してきますが、6ヶ月経過する頃まではまだ屈折値が変動する可能性が高いため、それ以降に術前検査を行い、手術日程を決めることをおすすめします。
検査結果が不安定な場合は複数回にわたって検査を行う場合もあります。
また、断乳後どのくらいの期間をあけて術前検査を行うかは医師の判断によって異なることがありますので、必ず担当の医師の指示に従うようにしてください。
Q:生理中はICL手術を避けた方がいい?
A:特に生理中であることを理由にICL手術を避ける必要はありませんが、生理痛が酷い傾向があるなど体調に不安があれば手術日を調整するようにしましょう。
Q:ピルを飲んでいる場合は?
A:低容量ピルなどを内服していると、妊娠中・授乳中の場合と同様、ホルモンバランスが通常と異なる状態になり、検査結果に影響が出る可能性があります。
そのため、中断が困難な方以外は、ピルの内服を中止してから1ヶ月以上の期間をあけて検査を受けるようにしてください。
検査が終了すればピルの内服を再開しても大丈夫です。
上記はあくまで一般的な流れなので、医師の判断によって服用を中止する期間やその他の指示などが異なることがあります。
必ず担当の医師に相談の上、検査・手術に臨んでくださいね。
また、ピルに限らずそのほかにも内服薬の種類によっては視力に影響を与える薬もありますので、服用している薬がある場合は必ず医師に伝えてください。
まとめ
妊娠中・授乳中はホルモンバランスの影響で視力が不安定になりやすいです。
そのため、産後、授乳期間が終わってから3〜6ヶ月ほどあけてICL手術の検査を受けるようにしましょう。
生理中であるかどうかは手術に影響がないとされますが、ピルの服用についてはホルモンバランスの影響を受ける可能性があるため、内服を一時中断するなど、医師の指示に従って検査・手術に臨むようにしてください。
手術を受ける前にICL手術の流れやメリット・デメリットなどについても知っておきたいという方は、以下の記事に詳しくまとめておりますので、こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
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