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【眼科医が徹底解説】ICLのレンズの特徴は?ICLのレンズの素材や種類について詳しく解説!

ICL手術で使われるレンズは、素材やメーカーなどいくつも種類があります。

「ICLのレンズってそもそも何?」
「ICL手術で使われるレンズにはどんな種類がある?」
「ICLのレンズの素材や安全性は?」

ICL手術を受けるにあたって、レンズの特徴や素材、種類について詳しく知りたいという人も多いと思います。
安全性の高い手術とはいえ、自身でもICLについてよりきちんと理解した上で治療に臨みたいですよね。

そこで本記事では、ICL手術で使われているレンズの特徴や素材、種類について詳しく解説いたします。

<< 本記事は眼科医が監修しております >>

この記事でわかること

  • ICLのレンズの特徴
  • ICLのレンズの素材
  • ICLのレンズの種類

ICL手術に使われるレンズはどんな素材でできているの?

ICL レンズ 素材 種類

日本国内で流通しているICLのレンズは以下の2つの素材が主流となっています。

⚫︎コラマー(Collamer)

アメリカ・STAAR社製のICLのレンズは「コラマー(Collamer)」という耐久性や生体適合性に優れた素材が使われています。

コラマーは「HEMA(ハイドロキシエチルメタクリエート)」と「コラーゲン」を合わせた共重合体素材です。
無色透明で、ソフトコンタクトレンズのように水分を含んだ柔らかい素材です。

・HEMA・・・親水性が高く柔らかい物質。コンタクトレンズにも使用されている。

・コラーゲン・・・私たちの体を構成しているタンパク質のうち約30%を占める物質。そのため目の中に入れても体が異物として拒絶しにくい。

コラマーは疎水性アクリルに比べて屈折率が低く、光の反射が抑えられ、術後のハロー・グレアが少ないと言われています。

また、コラマーに含まれるコラーゲンは炎症やフレア、細胞反応を最小限に抑える抑制作用があり、術後のトラブル防止にも役立つとされています。

コラマー素材を使用したICLのレンズは紫外線をカットする効果もあります。

コラマーには癒着しないという特性があり、これにより眼内レンズは挿入後に合併症を生じにくいという利点があります。
また、癒着しないという特性があるため摘出が可能になっています。

しかし、乱視を矯正するレンズを挿入した場合には、レンズが眼内で回転する可能性があり、これによって再び乱視が生じる可能性もあります。

⚫︎ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリル

イギリスのEyeOL社やスイスのWEYEZER社製のレンズには「ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリル」という素材が採用されています。

ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリルはアクリル素材の一つで、従来のアクリルレンズよりも水分含有量が多くタンパク質などの汚れがレンズに付着しにくいという特性があります。

また、長期的に安定した視機能を維持できるということが確認されています。

白内障の眼内レンズにも使用されており、こちらの素材も国内で実績があります。

知っておきたい!

ICL(レンズ)とICL(手術)の区別がつかなくなってしまう人が多いと思いますが、ICL(レンズ)は、ICL(手術)に使われる眼内レンズの一つで、一般的にSTAAR社製のレンズを指すことが多いです。

ICLはレンズを発売しているSTAAR社というメーカーが名付けたレンズの名称であり、ICL手術で使うのはSTAAR社製のレンズだけではないという点を理解しておきましょう。

ICL手術に使われるレンズは他にも、この後詳しく紹介するプレミアム眼内コンタクトレンズなど主に3つの種類があります。

ICL手術で使われるレンズの種類は?

眼内コンタクトレンズは入れる場所(前房・後房)によって「前房型有水晶体眼内レンズ」と「後房型有水晶体眼内レンズ」の2種類に分けられます。

⚫︎虹彩と角膜の間に入れる「前房型有水晶体眼内レンズ」

前房型有水晶体眼内レンズは、虹彩と角膜の間である「前房」にレンズを挿入します。
レンズの固定が不安定でありズレや脱落が起きる可能性があるとして現在は前房型はあまり主流ではありません。

⚫︎虹彩と水晶体の間に入れる「後房型有水晶体眼内レンズ」

後房型有水晶体眼内レンズは、虹彩と水晶体の間にある「後房」にレンズを挿入します。
後房に挿入することで、前房に比べてレンズが固定されやすく、目の中で長期的に安定すると言われています。
現在はこちらの後房型有水晶体眼内レンズが主流です。

ICLは「後房型有水晶体眼内レンズ」の1つです。

日本で主流とされている ICLのレンズは3種類

日本で主流とされているICLのレンズは以下の3種類です。

⚫︎EVO/EVO+ ICL レンズ

ICL レンズ 素材 種類

EVO/EVO+ ICLレンズは、アメリカ・STAAR社製の後房型レンズです。
国内で一般的に「ICLレンズ」と言えばこのSTAAR社製のレンズを指すことが多いです。

コラマー(Collamer)という親水性の良い素材で作られています。
アメリカのFDAの承認を受けており、日本でも厚生労働省認可のレンズです。
このICLレンズは国内で最初に発売され、多くの実績があります。

当初発売されたレンズはセンターホールがありませんでしたが、房水の循環経路を確保するためのホールタイプが登場しました。
これにより手術前に行う虹彩切開術が不要になりました。

また、レンズの光学径が6.1mmに拡大されたことで手術後のハロー・グレアの発生が抑えられるようになりました。

⚫︎プレミアム眼内コンタクトレンズ

ICL レンズ 素材 種類

プレミアム眼内コンタクトレンズは、イギリス・EyeOL社製の後房型レンズです。
「ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリル」という素材を採用しています。

EUにおける安全性の基準を満たしていることを証明する「CEマーク」を取得しており、世界20か国以上で使用されています。

近視、遠視、乱視の治療だけでなく、世界で初めて老眼の治療を可能にしたフェイキックレンズです。

レンズの光学径が6.6mm〜7.0mmと大きいことでハロー・グレアの発生を抑え、夜間の見え方の質が高いと評価されています。

レンズには7つのホールが設置されており、房水の循環経路の確保や、白内障・緑内障の発生を抑制する効果もあります。

合併症の発生を抑制する上で最も期待値が高いレンズと言えるでしょう。

⚫︎アイクリルレンズ(Eyecryl Lens)

ICL レンズ 素材 種類

アイクリルレンズは、スイス・WEYEZER社製の後房型レンズです。
「ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリル」という素材を採用しており、こちらもCEマークを取得しているレンズです。

レンズの光学径が5.5mmと狭く、ハロー・グレアの発生頻度が高いとされています。
レンズの安定感も前述した2種類に比べると低く、おすすめしない眼科もあり、国内では症例が少ないです。

レンズによって特性に違いがありますので、ICL手術を受ける際は医師などに相談の上、レンズの種類を決めるようにしましょう。

レンズによる違いの一つとしてご紹介した「ハロー・グレア」について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご一読ください。

↓↓↓↓

ICL手術の合併症の一つ「ハロー・グレア」について眼科医が徹底解説!

まとめ

今回はICL(眼内コンタクトレンズ)の特徴や素材、種類について詳しく解説いたしました。
ICLのレンズに使われている素材にはコラマーとハイブリッド・ハイドロフィリックアクリルがあります。
コラマーは耐久性や生体適合性に優れているという特性があり、ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリルは水分含有量が多くタンパク質などの汚れがレンズに付着しにくいという特性があります。
ICLレンズは一般的にアメリカ・STAAR社製の眼内レンズのことを指しますが、ICL手術で使われるレンズには他にもプレミアム眼内コンタクトレンズやアイクリルレンズがあります。

素材やメーカーの違いによって特性も異なりますので、それぞれの特徴についてよく理解した上で治療に臨むと良いでしょう。

ICL手術についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご一読ください。

↓↓↓↓

【眼科医監修】ICL・眼内コンタクトレンズとは?治療のメリット・デメリットや費用について徹底解説!

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