ICL手術は、目の中に眼内コンタクトレンズを挿入することで、近視をはじめとする屈折異常を矯正することができる視力回復手術です。
心身への負担が少ない低侵襲手術であると言われており、安全性が高く短い手術時間であることから、比較的ハードルの低い手術であると言えます。
しかし、ICL手術を検討している方の中には「メスなどの器具が迫ってくるのが見えたり、手術中の様子が視界に入ったりするのでは」と恐怖心をお持ちの方も多いと思います。
そこで今回は、ICL手術はどんな感じなのか、実際どういう風に見えているのか、について詳しく解説したいと思います。
この記事でわかること
- ICL手術の流れ
- 手術中どのように見えているのか
- 手術の痛みはどれくらいか
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ICL手術当日の流れは?
安心して手術を受けられるよう、まずはICL手術の流れについて理解しておきましょう。
ご紹介する手術の流れは一般的な例ですので、詳細については手術を受ける眼科やクリニックにもご確認ください。
①手術前の診察
事前に適応検査を済ませていると思いますが、手術当日も診察・検査をおこないます。
血圧や眼圧などを測り、体調や目の状態ともに問題がなければ手術実施となります。
②散瞳薬を点眼
瞳孔を開くための散瞳薬という薬を点眼します。
③点眼麻酔を行う
目薬タイプの点眼麻酔を行います。
顔全体にカバーをかけ、開瞼器(かいけんき)という目を開いたままにする器具をつけます。
④角膜を切開する
ICL(眼内コンタクトレンズ)を挿入するため、角膜の縁を数ミリ切開します。
約3mmほどのわずかな切開創であり、自然治癒するため基本的に縫合などは必要ありません。
⑤ICLを挿入する
インジェクターというICL(眼内コンタクトレンズ)を挿入するための器具を用いて、切開した部分から筒状に折りたたまれたICL(眼内コンタクトレンズ)を挿入します。
⑥レンズを固定する
レンズが目の中でゆっくりと広がるのを待ち、虹彩と水晶体の間にレンズを固定します。
レンズの角度の調整も行います。
⑦もう片方の目も同様に行う
同じ流れでもう片方の目も行います。
両眼で20分ほどの手術です。
⑧手術終了
手術後、目薬で瞳孔を縮瞳させ、30分ほど安静にします。
目の状態を確認し、問題がなければ手術終了、帰宅となります。
ICLの手術中は実際どんな感じ?怖い?
ICL手術の流れについてはおおよそ理解できたことと思いますが、実際に手術中はどのような見え方をしているのか、イメージが掴めないという方も多いでしょう。
「手術中は怖いですか?」という質問もとても多いです。
手術は目を開けた状態で行うため、メスやピンセットが近づいてくる様子が見えたら怖いですよね。
ですが、安心してください。
実際に手術を受けた方のほとんどが「手術中の様子は見えない」とコメントしています。
なぜなら、眩しくてほとんど何も見えていないからです。
手術前に散瞳薬という瞳孔を開く目薬を点眼し、瞳孔を開いた状態にします。
手術中、目の真上には顕微鏡があり、そこから強い光が発せられています。
瞳孔が開いた状態で患者さんの目に強い光を当てるので、眩しいだけで手術器具などは見えず、ぼんやりと影が動いている程度にしか感じません。
そのため、手術中の様子や器具が視界に入って怖いといったことはないので安心してください。
また、手術中に目を閉じてしまったらどうしようと不安な方もいるかもしれませんが、開瞼器(かいけんき)という目を開いたままにする器具をつけていますので、閉じる心配もありません。
開瞼器(かいけんき)のイメージ
目を開けたままにすると乾いて目が痛くなるのではないかと不安な方もいるかもしれませんが、これについても適度に目に水がかかるようになっているため乾くことはなく、乾きによる痛みは感じません。
手術中にくしゃみや咳などが出てしまいそうな時は、看護師さんの手を握るなど、事前に決めた合図で対応することが多いです。
また、術者は患者の変化に気が付きやすく、わずかな動きでも手術の手を止めることができるため、過度な心配は必要ありません。
ICL手術は痛い?どんな痛み?
手術中の痛みについても不安がある方が多いと思いますが、点眼による麻酔を行っており、切開創も約3ミリとわずかなサイズであるため、痛みはほとんど感じません。
感じるとしてもわずかにチクチクとする程度です。
切開創は時間とともに自然治癒するので、基本的に縫う必要もありません。
中には眼を触られている感覚やどんよりと重たい感覚を感じる方もいます。
目薬による麻酔を使用して痛みを抑えますが、この目薬が少ししみる感じがする方もいますが、それも数分でしみなくなりますのでご安心ください。
両眼で20分と手術時間も短く、緊張していることもあり、痛みも怖さも感じない間に手術は終了してしまうでしょう。
手術を受けた方の多くが「ほとんど痛みを感じなかった」「思っていたよりもすぐに終わった」と感じるようです。
術後の何日間かはゴロゴロとした違和感を感じる方もみえますが、基本的に手術後も痛みはほとんどありませんので安心してください。
それでも不安、怖いという方は吸入麻酔もあります
上述したように、ICL手術は手術中に視界に器具が見えたりすることもなく、痛みもほとんど感じない手術です。
それでも痛みへの不安や手術への恐怖感が強い方は、鼻から吸入する麻酔(笑気麻酔)を受けることもできます。
笑気麻酔(しょうきますい)は笑気という気体を鼻から吸い込むことでリラックスした状態になり、痛みや不安を感じにくくするという作用がある麻酔です。
効きやすさや感じ方には個人差がありますが、身体がぽかぽかと温かくなったり、フワフワしたり、気持ちよく酔ったような感覚になります。
歯科治療などで小さなお子さんにも使用されている麻酔で、副作用はほとんど無く、非常に安全性の高い麻酔です。
体内に残ることもなく、すぐに体外へと排出されます。
恐怖心や不安から気分が悪くなったり血圧が上昇したりすると手術に支障をきたす可能性もあるため、心配な方は笑気麻酔による対応も行っている眼科やクリニックを選ぶことをおすすめします。
笑気麻酔については以下の記事でより詳しく解説していますので、ぜひこちらもご一読ください。
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まとめ
今回は、ICL手術はどんな感じなのか、実際どういう風に見えているのか、そして手術中の痛みについて詳しく解説いたしました。
ICL手術は安全性が高く、実績の多い手術であるとはいえ、やはり手術は怖くて不安なものですよね。ICL手術が自分にとって初めての手術という方もいらっしゃるかもしれません。
「ICL手術を受けたいと考えているけれど不安」という方は今回の記事をはじめ、ICLについての知識をつけて納得した上で手術を検討してみてくださいね。
以下の記事でICL手術について詳しくまとめていますので、ぜひご覧くださいね。