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ICL手術の合併症の一つ「ハロー・グレア」について眼科医が徹底解説!

ICL手術は、日本でも広く普及しており、厚生労働省から認可を得ている安全性が高い手術です。
しかし、どの手術においてもリスクはゼロではありません。

ICL手術で生じる可能性がある合併症の一つに「ハロー・グレア」があります。
もともと眼科手術後に人はハロー・グレアを感じるものですが、中でも5〜6割程度の方が強く自覚すると言われています。

「ICL手術を検討しているけれど合併症が気になる」
「ハロー・グレアとはどういう現象なのか」

と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ICL手術後に起こり得る合併症の一つ「ハロー・グレア」について詳しく解説いたします。

レンズの種類によってもハロー・グレアの発生頻度が変わると考えられるため、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • ハローグレア現象について
  • ICLのレンズとハローグレアの関係
  • レンズの種類によるハローグレアの発生頻度

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ICL手術の合併症の一つ「ハロー・グレア」とは?

ハロー・グレアは「光視症」とも呼ばれ、眼内レンズを用いる手術における代表的な合併症です。
ハロー・グレアを簡単に説明すると、光がぼやけたり、輪っかが見えるなど、夜間の見え方が変わる現象のことです。

実際は夜間に限って起きるわけではありませんが、夜間の見え方で強い症状を訴える方が多いです。

「ハロー・グレア」とまとめて表現されることが多いため、1つの現象だと思っている方も多いですが、実は見え方によって「ハロー」と「グレア」の2つの現象に分別されます。

ICL

夜間など暗い場所で光を見た時、光の周りに薄い輪っかをかけたように見える現象を「ハロー」、光が花火のようにまぶしく広がる現象のことを「グレア」といいます。

光が放射線状に広がってまぶしく見える「スターバースト現象」が起きることもありますが、またの機会に解説いたします。

いずれも夜間の運転時、信号や街灯などの明かりを見る際に生じる事例が多いです。

ハロー・グレアは光が眼内レンズを通るときに乱反射を起こすことが原因で起きる現象と言われています。

近視の矯正では使用することは基本的にはありませんが、白内障手術で使用する複数距離にピントを合わせられる「多焦点眼内レンズ」を挿入する手術では、レンズの構造上起こりやすいと言われております。

ICL手術で使用される眼内コンタクトレンズは、目の中に入る光が通過するオプティカルゾーン(屈折度数を持った視力に影響する部位)が広く取られており、ハロー・グレアが抑制できるよう作られていますが、5〜6割程度の方は術後強く自覚をされます。

オプティカルゾーン

オプティカルゾーンとは簡潔に言うとレンズの光学部のことです。(上記の画像の赤く囲われた部分)
この部位を通して見える光は屈折が矯正され、明るくはっきり見えます。

オプティカルゾーン(レンズの光学部)とハロー・グレアの関係については次の章で詳しく解説します。

「ハロー・グレアの状態がずっと続いたらどうしよう」
「夜間の見え方の違和感が治らなかったら嫌だな」

と不安な方も多いと思いますが、安心してください。

ハロー・グレアはICL手術後、1週間〜数ヵ月程度で改善する場合がほとんどで、時間が経つにつれて安定していきます。

見え方自体に慣れも生じてくるため、普段の生活をしていてハロー・グレアによる不便を感じるという方は少ないです。

術後しばらく経過しても眩しさやハロー・グレア現象が残っていて違和感を感じる場合には手術を受けた眼科や病院へ相談するようにしましょう。

ICLのレンズとハロー・グレアにはどんな関係があるの?

人間の目は、瞳孔が大きくなったり小さくなったりすることで目に入る光の量を調節しています。
明るい所では瞳孔が縮小し、暗い所では瞳孔が拡大します。

 

ICL ハローグレア

ICL手術を受けた後に発生する可能性があるハロー・グレアは、瞳孔の大きさとレンズの光学部(物を見る部分)の大きさに関係があります。

日本人の瞳孔の大きさの平均は4.4mmほどで、明るさによって4mm〜8mmまで大きさが変化します。
それに対し、ICLのレンズの光学径は、レンズの種類によって異なりますが、5.5mm〜6.6mmほどです。

明るい場所ではレンズの光学径よりも瞳孔の方が小さくなるため影響はそれほど出ませんが、暗い場所では通常時の2倍近くまで瞳孔が拡大するため、レンズの種類によってはレンズの光学部よりも瞳孔の方が大きくなってしまいます。

レンズの光学部よりも瞳孔の方が大きくなると、レンズの周囲から光が直接入り込み、ハロー・グレアが発生する原因となってしまうのです。

要するに、レンズの光学部が大きければ大きいほど、ハローグレアは生じにくいということになります。

以下に実際に使用されているレンズで具体的に解説いたします。

ICLのレンズの種類によってハロー・グレアの発生頻度が変わる?

日本で主流とされているICLのレンズは以下の3種類です。

⚫︎EVO/EVO+ ICL レンズ

ICL レンズ 素材 種類

アメリカ・STAAR社製のレンズです。
国内で一般的に「ICLレンズ」と言えばこのSTAAR社製のレンズを指すことが多いです。
レンズの光学径が6.1mmに拡大されたことで手術後のハロー・グレアの発生が抑えられるようになりました。

⚫︎プレミアム眼内コンタクトレンズ

ICL レンズ 素材 種類

イギリス・EyeOL社製のレンズです。
「ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリル」という素材を採用しています。
レンズの光学径が6.6mm〜7.0mmと大きいことでハロー・グレアの発生を抑え、夜間の見え方の質が高いと評価されています。

⚫︎アイクリルレンズ(Eyecryl Lens)

ICL レンズ 素材 種類

スイス・WEYEZER社製のレンズです。
こちらも「ハイブリッド・ハイドロフィリックアクリル」という素材を採用しています。
レンズの光学径が5.5mmと狭く、ハロー・グレアの発生頻度が高いとされています。

日本で主流なレンズは上記の3種類ですが、これらのレンズの違いによってハロー・グレアの発生頻度はどう変わると考えられるでしょうか。

まず、スイス・WEYEZER社製のアイクリルレンズの光学径は5.5mmと狭い設計です。
暗い場所で瞳孔が拡大した際はレンズの光学部の方が小さくなります。
レンズの周辺部から直接光が入り込み、ハロー・グレアが発生する頻度が高くなると考えられます。

アメリカ・STAAR社製のEVO+ICLレンズの光学径は6.1mmです。
従来よりも光学径が大きくなり、ハロー・グレアの発生が軽減されるよう改良されています。
暗い場所で瞳孔が拡大した場合の平均値6.5mmと比較するとやや小さめの設計なので、瞳孔が大きい方の場合はレンズの光学径の方が小さくなってしまい、ハロー・グレアが発生する可能性があります。

イギリス・EyeOL社製のプレミアム眼内コンタクトレンズの光学径は6.6mmと、瞳孔径の変化に影響を受けにくい大きめのレンズ設計となっています。
光学径がより広い6.8mm〜7.0mmというシリーズも登場しており、瞳孔の大きさの違いに合わせてオーダーメイドすることができるようになりました。
ハロー・グレアの発生を抑制する設計であるという点で最も評価が高いレンズです。

瞳孔の大きさは加齢とともに小さくなっていく傾向があり、若い年代の人の方がICL手術後にハロー・グレアが起こる可能性が高くなるという点も知っておくといいでしょう。

まとめ

今回は、ICL手術後に起こり得る合併症の一つ「ハロー・グレア」について詳しく解説いたしました。
夜間など暗い場所で光を見た時、光の周りに薄い輪っかをかけたように見える現象を「ハロー」、光が花火のようにまぶしく広がる現象のことを「グレア」といいます。
ハロー・グレアはICL手術後、1週間〜数ヵ月程度で改善する場合がほとんどで、時間が経つにつれて安定していきます。
見え方自体に慣れも生じてくるため、普段の生活でハロー・グレアによって不便を感じる方は少ないですが、術後のリスクの一つとして知っておくと良いでしょう。

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