目の酷使により目が重く感じたり、かすんで見えたりすることを「疲れ目」と呼びますが、目だけでなく肩や首が凝る、頭が重いなど身体に疲れを感じる状態を「眼精疲労」と言います。
放置すると体の疲れや痛みだけでなく、自律神経のバランスを崩すなど精神面にも悪影響を及ぼすことがありますので、早期に対処する必要があります。
目の中にレンズを入れることで視力を矯正するICL手術は、メガネやコンタクトレンズ不要で裸眼での快適な生活を実現できますが、眼精疲労を改善する効果もあるのでしょうか。
今回は、眼精疲労とは何か解説するとともに、ICL手術によって眼精疲労が改善するのかについてもお話ししていきたいと思います。
この記事でわかること
- 眼精疲労の症状
- 眼精疲労の原因と対処法
- ICL手術で眼精疲労は改善されるのか
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眼精疲労とは?どんな症状?
眼精疲労とは、目を使い続けることによって目の不調を引き起こすだけでなく、頭痛、肩こりなど全身に影響が及び、休息や睡眠をとっても十分に回復しない状態を指します。
ピント調節の役割を担う「毛様体筋」という目の筋肉は自律神経と関わりがあるため、目を酷使し、毛様体筋が疲れると自律神経のバランスが崩れ、全身に症状があらわれると考えられています。
眼精疲労は何らかの改善策や治療を試みなければ自然に治っていくことはありません。
仕事や環境の変化や生活習慣が改善されない限り症状が続き、放置するともっと悪化してしまうこともあります。
眼精疲労の背景には目や体の重篤な病気が隠れている可能性もあるため、下記のような症状がある場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
<目の症状> |
<全身の症状> |
目が重い |
頭痛 |
目が痛い |
肩こり |
目の奥がズーンとする |
首こり |
目がショボショボする |
イライラしやすい |
目がかすむ、ぼやける |
集中力が続かない |
目が乾きやすい |
めまい |
充血する |
吐き気 |
まぶたがピクピクと動く |
慢性的な疲労感がある |
眼精疲労の原因・対処法
眼精疲労の主な原因は目を酷使することです。
テレビやパソコン、スマートフォンなどの画面を長時間見ていると眼精疲労を起こしやすくなります。
現代は特にパソコン、スマートフォン、タブレットなどの画面を長時間注視しがちな環境に置かれていますので、これらが原因となって眼精疲労を起こしている方が増えていると推察できます。
また、メガネやコンタクトの度数が合っていないなど、視力矯正器具の不具合も原因として挙げられます。
近視を矯正し過ぎている「過矯正」と呼ばれる状態になっていると、ピントを合わせるために目に必要以上の負荷がかかり、眼精疲労を引き起こすことがあります。
緑内障や白内障などの疾患に伴って眼精疲労が引き起こされたり、精神的なストレスが原因になることもあり、眼精疲労をもたらす原因は多岐にわたります。
原因が特定できそうな場合は、まずはその原因を排除し、環境や生活習慣を変えるなどして改善するよう試みましょう。
眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていない場合は作り直し、目の疾患が見つかった場合は治療を行います。
ドライアイの方は点眼などで症状を緩和することができます。
パソコンやスマートフォンなどで作業をする機会が多い方はこまめに休憩を取りながら取り組んだり、体を動かすなどストレッチを行うのも効果的です。
ICL手術を受けると眼精疲労や肩こりが改善する?
メガネやコンタクトレンズの度数が合っていないことによって眼精疲労が引き起こされている場合は、ICL手術で最適な度数選択を行い、視力が良好になることで眼精疲労が改善する可能性があります。
ただし、ICL手術は眼精疲労の改善を特別に謳っているわけではありませんので、ご自身の眼精疲労の要因に合わせた対処法や治療が必要になります。
術前検査で見え方のシミュレーションを慎重に行い、患者さんの要望に合わせて適切な度数選択を行うため、ICL手術を受けたことで眼精疲労になることは基本的にないと考えられますが、最適な度数選択が行われなかったり、過矯正になってしまった場合はICL手術によって眼精疲労が悪化するリスクも0ではありません。
カウンセリングを通じて術後どの程度の度数・見え方を目指すのか、しっかりと相談するようにしましょう。
長時間のパソコン作業がある方や手元で細かい作業を行う方はそうしたライフスタイルも踏まえて度数選択を行うことが大切です。
ICL手術はレンズ交換やレンズの取り出しが可能な手術であるため、万一過矯正によって近くが見づらくなってしまった場合や眼精疲労の症状が出た場合は再手術を行うことも可能です。
目の疲れが出やすいなど違和感を感じた場合は医師に相談するようにしましょう。
また、ICL手術前から眼精疲労の症状がある方は、術後も同様の生活習慣を続けていると眼精疲労が続く可能性があります。
眼精疲労が改善するよう、自身の生活習慣の見直しやセルフケアもあわせて実践していくことをおすすめします。
目の疲れを改善するためのセルフケア方法について以下の記事でご紹介しています。
*記事リンク
まとめ
今回は、眼精疲労とは何か、ICL手術によって眼精疲労は改善できるのか、についてお話しさせていただきました。
眼精疲労とは目の不調だけでなく、頭痛や肩こりなど全身の不調を引き起こしている状態を指します。
特に一時的な休息や睡眠では改善されず、慢性的になっているものを指します。
眼精疲労の原因はパソコンやスマートフォンなどの長時間の使用、メガネやコンタクトレンズの度数が合っていないこと、疾患やストレスなど様々です。
メガネやコンタクトレンズの度数が合っていない、過矯正などが原因で眼精疲労を引き起こしている場合、ICL手術を受けることで眼精疲労の改善がみられる可能性はあります。
ですが、最適な度数選択が行われていないとICL手術によって逆に眼精疲労が悪化するリスクもありますので、術前検査やカウンセリングを通じて医師にしっかりと相談の上、レンズ選択を行うようにしましょう。
ICL手術の流れやメリット・デメリット、合併症等のリスクなどについてより詳しく知りたいという方は、以下の記事に詳しくまとめていますのでこちらもぜひチェックしてみてくださいね!
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