現在、コンタクトレンズを使用している人は日本国内だけでも2,000万人弱いると推定されています。
現代人の近視人口は急増しており、コンタクトレンズが生活に必要不可欠かつ身近なアイテムとなっている方も多いと思います。しかし、コンタクトレンズは正しく使用しなければ人体に大きなリスクをもたらします。
今回は、コンタクトレンズによる目のトラブルにはどのようなものがあるのか、また、コンタクトレンズを使用する上で注意すべきポイントについて解説したいと思います。
この記事でわかること
- コンタクトレンズのリスク
- コンタクトレンズを使用する上で注意すべきこと
- コンタクトレンズとICL手術のメリット比較
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知っておきたいコンタクトレンズのリスク
スマートフォンやパソコン等の急速な普及に伴い、現代人は近視をはじめ視力の悪い人が増加傾向にあります。
コンタクトレンズユーザーも年々増加しており、現在日本国内に2,000万人弱いると推定されています。
[ 参照:一般社団法人日本コンタクトレンズ協会 ]
12~59歳の約3人に1人がコンタクトレンズの装用者であると推計され、特に女性の装用者の割合が多い傾向にあります。
視力が悪い人にとってコンタクトレンズは日常生活に必要不可欠なアイテムであり、使い慣れた身近な存在となっているかもしれませんが、実はコンタクトレンズは高度医療機器に分類されているほど、人体へのリスクの大きい器具です。
「コンタクト=contact」は「接触」という意味ですが、その名の通りコンタクトレンズは角膜に直に接するレンズであり、角膜を傷つけてしまうリスクがあります。
目も”呼吸”をしている
人間が呼吸をしないと生きられないことは周知の事実ですが、実は目も呼吸をしているということをご存知でしょうか。
目の表面にある角膜は、涙液を介して空気中の酸素を取り入れて呼吸をしています。
角膜には血管がなく、血液によって酸素や栄養分が運ばれてくることがないため、角膜は空気中の酸素を取り入れてエネルギーに変えています。
酸素を取り込むことであらゆる目の機能を維持しているため、角膜にとって酸素の供給は欠かせません。
しかし、コンタクトレンズを装着していると、裸眼のときよりも酸素の供給が下がり、角膜に届く酸素が不足してしまいます。
酸素不足の状態が続くと、角膜の透明性を保つために重要な役割を果たしている「角膜内皮細胞」という細胞が減少する恐れがあります。
角膜内皮細胞は再生されることがありません。
そのため減少し続けると角膜の透明性が失われて角膜が濁ったり、視力が低下してしまいます。
また、コンタクトレンズを長時間にわたり装用するなどして慢性的な酸素不足に陥ると、角膜上皮の新陳代謝が悪くなり、バリア機能が弱まって角膜にキズを生じやすくなります。
コンタクトレンズによるトラブルの多くは、このように角膜に必要な酸素が欠乏してしまうことが主な要因として挙げられます。
コンタクトレンズによるトラブルや目の病気
コンタクトレンズの使用方法を正しく守らないと、以下のような重い目の病気に至ることがあります。
早期に治療すれば多くの場合大事には至りませんが、症状が重くなると治療に時間を要するだけでなく、最悪の場合失明する可能性もあります。

角膜内皮障害
角膜内皮障害とは、角膜の最も内側にある角膜内皮細胞が傷つき、角膜に浮腫や混濁が生じる状態です。
コンタクトレンズの長時間・長期的な装用による酸素不足で起こることがあります。
角膜上皮障害
角膜表層に起きる障害を総称して「角膜上皮障害」と言います。
- ドライアイを放置
- 目に合わないレンズや汚れたレンズを使い続ける
- レンズをつけたまま眠ってしまう
上記をはじめとする様々な原因によって角膜上皮がはがれたり傷ついたりして角膜上皮障害が起こります。
放っておくと細菌感染などを起こし、角膜の奥にまで病状が進んでしまうこともあるため、速やかに治療を受けましょう。
点状表層角膜症
点状表層角膜症は、角膜の表面の一部の細胞が死滅している状態で、角膜上皮障害の一つです。
コンタクトレンズによる角膜上皮障害の中でも特によくみられる障害であり、コンタクトレンズを長時間装用することによる酸素不足や、コンタクトレンズの汚れが原因となって生じるケースが多いです。
角膜上皮びらん
角膜上皮びらんとは、角膜の上皮の一部、または全層が剥がれている状態です。
コンタクトレンズの装着・脱着時の刺激や、コンタクトレンズの下に異物が混入することなどが原因で起こります。
また、慢性的な酸素不足が続くことで角膜上皮びらんが生じることもあります。
角膜浸潤
角膜に傷がつき、角膜上皮や角膜実質が炎症を起こして角膜上皮周辺に白い円形・円弧状の炎症の混濁を生じている状態です。
悪化すると角膜上皮が欠損してより深い層まで症状が進み、角膜潰瘍に至ることもあります。
コンタクトレンズによる酸素欠乏や、レンズに付着した汚れや細菌によって引き起こされることがあります。
角膜潰瘍・細菌性角膜潰瘍
角膜潰瘍とは角膜がただれてしまう疾患、細菌性角膜潰瘍とは角膜についた傷から細菌やカビなどの菌が入って感染が起き、潰瘍ができる疾患です。
治療後も白い混濁が残って視力に影響を与えることもある怖い眼疾患です。
アカントアメーバ角膜炎
アメーバの一種であるアカントアメーバが角膜に感染して起こる病気です。
コンタクトレンズ使用者に多くみられ、レンズに付着したアカントアメーバが、目に傷があるなどして弱っている時に入り込んで感染します。
感染すると治りにくく、視力障害を引き起こしたり最悪の場合失明してしまうこともあります。
巨大乳頭結膜炎
巨大乳頭結膜炎とは、上まぶたの裏側が炎症を起こし、ブツブツ(=乳頭)ができている状態です。
アレルギーの一種で、コンタクトレンズについた汚れや変性したタンパク質汚れに対するアレルギー反応であるケースが多いです。
ウイルス性結膜炎(流行性結膜炎)
ウイルス感染によって起こる結膜炎で、「はやり目」とも呼ばれます。
目が充血する、目やにが出る、まぶたが腫れる、ゴロゴロした目の痛みが生じるなどの症状があります。
感染力が強く、手が汚れている状態でコンタクトレンズを取り扱うことで発症することがあります。
コンタクトレンズを使用する上で注意すべきこと
上記のような眼疾患が生じる主な原因の一つが「コンタクトレンズを正しく使用しないこと」です。
コンタクトレンズは私たちの生活の質を向上してくれるアイテムですが、日々の手入れを怠ったり、間違った取り扱いをしていると眼のトラブルを引き起こします。

- 装用前にレンズの破損がないか確認する
- 清潔な手で取り扱う、手を洗ってから取り扱う
- 爪を立てたり指先が目に直接触れないようにする
- 装用期間や交換期限を守る
- 再使用可能なレンズは洗浄・消毒をしっかりと行う
- 使用後の洗浄液等は再利用しない
- レンズの保管に水道水を使用しない
- 他人とレンズを貸し借りしない
- コンタクトレンズをつけたまま海やプールなどで泳がない
- 寝るときは外す
- 異常を感じたらすぐに装用を中止し眼科を受診する
- 定期的に眼科を受診する
コンタクトレンズの誤った使用により、最悪の場合失明してしまうような重大な眼疾患につながることもあります。
使い慣れている物かもしれませんが、今一度気を引き締め、上記の注意点を守って使用するようにしましょう。

まとめ
今回は、コンタクトレンズによる目のトラブルにはどのようなものがあるのか、また、コンタクトレンズを使用する上で注意すべきポイントについて解説いたしました。
コンタクトレンズは身近なアイテムであり、長年使っていると危機意識が下がり「これくらい大丈夫」と軽んじて雑な取り扱いをしてしまっている人も多いと思います。
重大な目の病気になってからでは取り返しがつかなくなる場合もありますので、今日からでも正しい取り扱いをするよう心がけてください。

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