ICL総研は眼科医によるICL(眼内コンタクトレンズ)総研が運営しています。

屈折矯正手術「LASEK(ラゼック)」とは?レーシックとの違いやメリット・デメリットを解説

ラゼック(LASEK)は屈折矯正手術の一つで、近視や乱視の改善に高い効果を発揮する治療法です。
レーシックと同様にレーザーを照射し角膜の形状を変えることで屈折率を矯正する方法ですが、特徴や手術の過程が異なります。
そこで今回は、ラゼック(LASEK)とはどのような屈折矯正手術なのか、メリット・デメリットやレーシックとの違いについて解説いたします。

この記事でわかること

  • LASEK(ラゼック)とは
  • LASEK(ラゼック)のメリットとデメリット
  • LASEK(ラゼック)とレーシックの違い

<< 当サイトの記事はすべて眼科医が監修しております >>

屈折矯正手術「ラゼック(LASEK)」とは

ラゼック(LASEK)は屈折矯正手術の一つです。「ラセック」と呼ばれることもあります。

レーシック同様、角膜にエキシマレーザーを照射し、角膜の形状を変えることで近視・遠視・乱視といった屈折異常を矯正する手術です。
手術時間は片眼約10分程度で、日帰り手術が可能です。
両眼同時の手術ができないため、片眼ずつ手術を受ける必要があります。

レーシックと異なり、ラゼックはフラップを作成せず、角膜上皮を剥がし、その下にある角膜実質に直接エキシマレーザーを照射し、角膜の形状を変えます。
20%エタノールなどアルコールの薬品を使って角膜上皮をやわらかくし、薄皮を剥がすようにして角膜上皮をめくります。
めくった角膜上皮は皮膚と同じように自然に再生されます。

ラゼックは、角膜にフラップを作成せず角膜表面に直接レーザー照射を行うことで屈折異常を矯正するため「PRK」という術式に分類されます。
フラップを作成する場合よりも浅い部分の角膜上皮をめくるため、角膜の厚みを多く残すことができ、角膜の強度を保つことができる治療法です。
角膜の薄い方や強度近視の方も適応となる場合が多く、適応範囲が広いのが利点です。

フラップを作成しないため、フラップトラブルのリスクがない一方、角膜上皮の回復に時間がかかるため、術後3〜4日痛みが続きます。
強い痛みは翌日までにおさまる方が多いですが、角膜上皮が再生するまでは目に異物感が残る場合もあります。
また、視力の回復に1週間以上の期間が必要となります。

ラゼックの費用相場は両眼で20〜30万円前後です。
価格は医療機関によっても異なるため、事前によく調べておくようにしましょう。

<ラゼックのメリット・デメリット>

ラゼックは以下のようなメリット・デメリットがあります。

◆メリット

・角膜が薄い人や強度近視の人なども適応となる可能性が高い
・フラップを作らないためフラップトラブルのリスクがない
・格闘技やラグビーなどの激しいスポーツをする人にも適している

◆デメリット

・角膜上皮が不安定なため術後3〜4日間痛みがある
・視力が回復するまで1週間程度の時間を要する
・保護用コンタクトレンズを約1週間装用する必要がある
・使用する薬品によって角膜や結膜に影響が出る場合がある
・両眼同時に手術を行うことができない

<ラゼックの手術の流れ>

ラゼックの手術の流れは以下の通りです。
手術時間は片眼約10分程度です。

①洗浄・麻酔

眼を洗浄し、点眼薬で麻酔をします。

②約30秒間エタノールに浸す

20%エタノールを用いて角膜上皮を柔らかくします。

③角膜上皮をめくる

エタノールで柔らかくなった角膜上皮をめくります。

④レーザーを照射する

エキシマレーザーを角膜実質に直接照射し、角膜の形状を変えます。
レーザー照射は数十秒程度で終わります。

⑤角膜上皮を戻す

めくった角膜上皮を元に戻します。角膜上皮は自然に再生します。

⑥コンタクトレンズの装着

柔らかくなった角膜上皮は不安定なため、再生するまで角膜を保護するための治療用コンタクトレンズを装着します。

⑦手術終了

手術後しばらく安静にして問題がなければ帰宅できます。
両眼の手術が必要な方はまた別日にもう片方の目の手術を行います。

翌日、3日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後といったように定期的に検診があります。
定期検診の時期はクリニックによっても異なるため、担当医の指示を守るようにしてください。
感染が起きていないかなどを確認するためにも必要ですので、時期を守って通院するようにしましょう。

ラゼックとレーシックの違いは?

ラゼックはレーシックと同じく屈折矯正手術であり、「LASEK」と「LASIK」とでつづりも響きも似ていますが、手術の方法など異なる点がいくつかあります。

<ラゼックとレーシックの違い>

レーシック

ラゼック

手術方法

フラップを作成し、
フラップをめくってエキシマレーザーを照射
角膜上皮を薬品で柔らかくしてめくり、
エキシマレーザーを照射

フラップの
作成

角膜表面にフラップを作成する フラップを作成しない

痛み

痛みが少ない 術後3〜4日間程度痛みがある

回復

比較的早い
術後翌日〜数日で視力が回復
1週間程度で視力が回復
レーシックよりも時間がかかる
適応範囲 角膜が薄い人には適さない場合がある 角膜が薄い人や
強度近視の人も適用となる可能性がある

スポーツ

格闘技やラグビーなどの
激しいスポーツには不向き
格闘技やラグビー等の
激しいスポーツをする人にも適している

フラップ
トラブル

フラップトラブルのリスクがある フラップを作らないため
フラップトラブルのリスクはない

費用相場

15〜30万円 20〜30万円

ラゼックとは

ラゼックの処置は角膜表面だけで済むのに対し、レーシックは角膜のより深い部分に対して処置が行われます。

レーシックは、角膜表面に「フラップ」と呼ばれる蓋を作成し、フラップをめくった場所にある角膜実質にレーザーを照射して角膜を削ります。
フラップをめくり内部を削った後、フラップを元に戻します。
レーザーで削った傷をフラップがカバーするため痛みが少なく、回復が早いです。
術後翌日から視力が改善されることが多く、日常生活に比較的早く戻ることができます。

一方、ラゼックはフラップを作成せず、角膜上皮層のみをめくり、ボーマン膜の上からレーザーを照射します。
フラップを作成しないためフラップによるトラブルが起きないという利点がある一方、術後3〜4日間程度、目の痛みがあり、視力回復に1週間程度の時間を要します。

ラゼックはレーシックに比べて適応範囲が広く、角膜が薄い人や強度近視の人の場合でも適応できる可能性があります。
また、フラップを作らないため、フラップトラブルが起きないことも利点であり、格闘技やラグビーといった顔や目に強い衝撃を受ける可能性がある激しいスポーツをされる方にも適していると言えます。

しかしその反面、早くて術後翌日には視力が回復するレーシックに比べ、術後の回復期間が長く必要となり、日常生活やスポーツへの復帰に時間が必要となります。

それぞれの手術でメリット・デメリットが異なるため、医師と相談し、個々の目の状態やライフスタイルを踏まえて最適な治療方法を選ぶことが大切です。

まとめ

今回は、ラゼック(LASEK)とはどのような屈折矯正手術なのか、メリット・デメリットやレーシックとの違いについて解説いたしました。

ラゼックとレーシックはどちらも近視や乱視などの屈折異常を矯正するために行われる治療です。
いずれも角膜にレーザーを照射し角膜の形状を変えることで視力を矯正する治療ですが、ラゼックはレーシックと異なりフラップを作成しないため、適応範囲が広く、激しいスポーツにも向いているといったメリットがあります。
その一方、レーシックに比べて術後の痛みがある、回復に時間がかかるといったデメリットもあります。

そうした違いを考慮し、個々の目の状況やライフスタイルに応じて適切な手術方法を選択することが大切です。

同じ屈折矯正手術の一つである「ICL手術」についても知りたいという方は、手術の流れや費用相場、メリット・デメリットなどについて詳しく解説していますので、以下の記事もぜひご一読くださいね。
↓↓↓↓

【眼科医監修】ICL・眼内コンタクトレンズとは?治療のメリット・デメリットや費用について徹底解説!

眼科医によるICL(眼内コンタクトレンズ)総研
では
ICLに関する悩みを無料相談受付中

ビジネスマンの男性シルエット
  1. 例1自分に合ったクリニックがわからない
  2. 例2ICL手術の知識がなくて
    手術を受けるのが不安
  3. 例3ICL手術の費用が詳しく知りたい
  4. 例4ICL手術を受ける前に、詳しいメリット、デメリットが知りたい
  5. 例5ICL手術のリスクを知りたい

といったようなお悩みを毎日いただいています!
あなたも是非ICL総研にご相談ください。

ICLクリニックで日々お客様の悩みを解決している
実際の眼科臨床医
相談に乗ります!