斜視とは両眼の視線が合わず、常に片方の目がもう片方の目と違う方向を向いている状態です。
軽度の場合は治療の必要がないと判断される場合もありますが、容姿に影響する場合も多く、精密な立体感覚や奥行きを捉える機能も低下してしまうため、治療を希望する方も多いです。
斜視に加えて近視や乱視など屈折異常を伴っている方の中には、屈折矯正治療を検討しているけれど、斜視の場合も受けられるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、斜視について解説するとともに、ICL手術などの屈折矯正手術は斜視の方でも受けられるのか、という疑問にお答えしていきたいと思います。
この記事でわかること
- 斜視について
- ICL手術は斜視の場合でも受けられるのか
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斜視とは
右眼と左眼の視線がそれぞれ違う方向に向いている状態のことを斜視といいます。
目の位置によって内斜視、外斜視、上斜視、下斜視に分類されます。
斜視の原因は様々ですが、片目の視力不良、目の筋肉や神経などの異常、遺伝や脳の一部の異常などが挙げられます。
両眼で同時にものを見ることを両眼視といい、左右の目で見ることにより立体感や距離感のある見え方ができます。両眼視ができない場合、ものが二重に見えたり、立体感を感じることができなくなってしまいます。
斜視の治療方法としては、眼鏡やコンタクトレンズによる屈折矯正、プリズム眼鏡による療法、両眼視機能を強化する視能訓練、斜視手術、眼筋へのボツリヌストキシンの注射などがあります。
どの方法が適しているかは、斜視のタイプや性質、年齢など一人一人の状態によって異なります。
京都大学の「日本人における斜視の有病率の全国調査」によれば日本人の50人に1人が斜視であるとされています。
参考:日本人における斜視の有病率の全国調査―日本人の50人に1人が斜視である― | 京都大学
ICL手術は斜視の人も受けられる?手術によって視力は良くなる?
斜視の症状がある方で、近視や乱視などの屈折異常を伴っており、ICL手術などの屈折矯正手術を検討しているという方もいらっしゃると思います。
結論から先にお伝えすると、ICL手術は斜視の方も受けることができます。
適応年齢は18歳以上40代前後となっていますので、18歳未満の場合は斜視があるかどうかに関わらずICL手術を受けることはできません。
ですが、斜視かどうかはICL手術の適応可否に影響ありません。
適応検査を受けて問題なければICL手術を受けることが可能です。
ただし、ICL手術を行うことで斜視が治るわけではありません。
幼少期に斜視が指摘されていて、視覚発達期(通常、乳幼児期から7〜8歳までの時期)に適切な斜視の治療を受けなかった場合は弱視になっている可能性もあります。
弱視とは、視力が正常に成長せず、眼鏡やコンタクトレンズを使用しても視力が正常なレベルに達しない状態です。
弱視についてもICL手術を行うことで治るわけではありませんので注意が必要です。
ICL手術による屈折矯正治療と斜視の治療はまた別物なので、どのような流れで治療を行っていくかあらかじめ医師と相談しておくことが大切です。
また、ICL術後に斜視の手術をすることは可能です。
ICL手術後にプリズム眼鏡という眼鏡をかけることで斜視を補正する治療を受けることもできます。
弱視については以下の記事にて詳しく解説しておりますので、こちらもぜひご一読ください。
*リンク予定
まとめ
今回は、斜視について解説するとともに、ICL手術などの屈折矯正手術は斜視の方でも受けられるのか、という疑問について回答させていただきました。
斜視は右眼と左眼の視線がそれぞれ違う方向に向いている状態を指し、斜視のタイプによって治療方法は異なります。
斜視の方もICL手術を受けることはできますが、ICL手術を受けたことによって斜視が治るわけではありません。
ICL手術とあわせて斜視の治療も検討しているという方は、まずは眼科医にその旨、相談するようにしてください。
ICL手術の流れや費用相場、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたいという方は以下の記事もぜひご一読くださいね。
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