レーザーで角膜を削って形状を変え、屈折力を調整することで近視をはじめとする屈折異常を改善できるレーシック手術。
術後の視力回復が早く、翌日には98%以上の人が1.0以上まで視力が回復すると報告されており、有用性も高く評価されています。
レーシック手術で回復した視力は維持されることがほとんどですが稀に視力低下が起こる可能性があります。
レーシック手術後、万一視力が低下してしまった場合はどうしたらいいのかと不安な方も多いでしょう。
そこで今回は、レーシック手術後、視力が再び低下してしまった場合はどうしたら良いのかについて解説いたします。
この記事でわかること
- レーシック後に視力が再び低下してしまった場合
- レーシックの再手術について
- レーシック後にICL手術は可能か
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レーシック後に視力が再低下した場合はどうする?
レーシックはエキシマレーザーと呼ばれるレーザーで角膜を削り、角膜のカーブを平坦化させることで屈折率を調整して近視をはじめとする屈折異常を矯正する手術です。
レーシックは術後の視力回復が早く、手術を受けた方のほとんどが翌日には裸眼で1.0以上の視力に回復するとされています。
有用性・安全性ともに高く、国内外ともに豊富な実績を有する屈折矯正手術ですが、角膜を削るため、一度手術を受けたら術前の状態に戻せないという特徴があります。
稀に術後しばらくしてから新たに近視が出たり、近視が再発する、いわゆる「近視戻り」をするケースがあります。
近視戻りが発生するのは1年以内がほとんどですが、5〜10年後に近視戻りするケースもあります。
基本的に近視の進行は20代半ばには落ち着き始め、30代以降はゆっくり、40代くらいで止まると言われています。
そのためレーシックの適応年齢で手術を受けた方の近視が自然に進行する可能性は低いと考えられますが、これまでと同様に近方ばかり見るなど目を酷使するような生活習慣を続けていると新たな近視が発生して視力が落ちることがあります。
視力の再低下は不安要素ですが、レーシック手術後に視力が低下しても元々の視力までは戻らず、以前よりはよく見えるという場合が多く、再手術やそのほかの屈折矯正手術を施す必要まではないと判断されることも多々あります。
しかし中にはもともとの近視度数が強い方で視力の再低下が著しいケースもあります。
その際は再手術やICL手術など他の屈折矯正手術を提案されることも考えられます。
いずれにしてもその時の患者さんの目の状態によって最適解は異なりますので、まずは医師にしっかりと相談をするようにしてください。
また、そもそもレーシック後に近視が戻る確率は4〜5%程度とごく稀とされています。
他の屈折矯正手術と比較される際に「近視戻りがある」という点をクローズアップされがちなので視力が再低下するイメージを持ちの方も多いと思いますが、大抵の場合は術後も良好な視力が持続すると期待されています。
近視が強い方は近視戻りのリスクがより高い
近視が強い方の場合は40代以降でも近視が進行することがわかっており、手術前に近視が強いと診断された方は近視の進行によって視力が低下する可能性が高くなります。
さらに人間の体は傷を修復しようとする機能を持っているため、角膜を削るレーシック手術も体の修復機能により元に戻ろうとする反応が起きます。
そのためレーシック手術で一度視力が良くなっても、角膜が修復されたことによってまた近視になり視力が落ちるケースもあります。
近視の強い方ほどレーシック手術で角膜を多く削る必要があるため、傷を修復しようという傾向が強く出やすく、近視戻りのリスクがより高いです。
レーシック後の再手術は何回まで可能?
レーシックは角膜を削る手術であり、一度削ってしまった角膜を再び厚くすることはできません。
そのためレーシック手術の回数制限は原則として1回までですが、角膜の厚みが十分で再手術ができると判断された場合は2回まで可能です。
ただし2回目の手術で矯正できる視力には限界があります。
レーシック後にICL手術を受けることはできる?
レーシックは角膜を削る手術であるため、原則として1回、できても2回までです。
では、レーシックを受けて近視戻りしてしまった場合、ICL手術を受けることはできるのでしょうか。
過去にレーシックなどの角膜手術を受けたことのある方でもICL手術を受けることは可能です。
また、ICL手術は適応範囲が広いので、レーシック手術の影響の有無に関わらず角膜の厚みに余裕のない方でもICL手術を受けることができる可能性があります。
レーシック後視力が再び低下してしまったという方もICL手術で視力回復を目指すことができるので、まずは眼科を受診してICL手術の適応検査を受けてみましょう。
ICL手術を受ける際はレーシック後の再低下した現在の度数を改めて測定し、レンズの選定を行うため、レーシック手術前の度数や角膜の厚みなどのデータは不要です。
なので他院でレーシックを受けた方が別の眼科やクリニックを選んでICL手術を受けることも可能です。
ICL手術は角膜を削って視力を矯正するレーシックと異なり、メガネやコンタクトレンズのように度が入ったレンズを目の中に挿入することで視力を矯正する手術であるため、手術後にもし希望した見え方にならなかったとしてもレンズ交換をしたり取り出したりすることで元の状態に戻すことができます。
一度角膜を削ってしまったら元の状態に戻せないというレーシック手術と異なり、可逆性がある点もより安心して受けることができるICL手術の特徴です。
ICL手術は近視戻りも少ないとされており、長期的に良好な裸眼視力を維持することができると期待できます。
レーシック手術とICL手術、どちらが良いの?
近視や乱視などの屈折異常を矯正したいと検討している方の多くが「レーシック手術とICL手術のどちらがいいのか」という疑問をお持ちであることと思います。
適応範囲の広さ、近視戻りの可能性の低さや術後の見え方がクリアである点などはICL手術に軍配が上がりますが、どちらの屈折矯正手術が最適かは患者さんの目の状態やライフスタイル、予算や要望によっても異なります。
そのため、レーシックとICL手術、どちらの方が優れている、どちらの方が良いとは一概には申し上げられません。
まずはそれぞれのメリット、デメリットを理解し、医師とのカウンセリングや診察を通じて自分に合う治療法を見つけることが大切です。
レーシックとICL手術の違いについて、細かな点まで比較した記事がありますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
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まとめ
今回は「レーシック後に視力が再び低下してしまった場合はどうすればいいのか」また、「レーシックの再手術は何回まで受けられるのか」「レーシック後にICL手術を受けることができるのか」について解説いたしました。
レーシック後に視力が再低下してしまうケースは4〜5%程度とごく稀です。
万一近視戻りなどが起きた場合は再手術となるのか、他の屈折矯正手術を受けるのか、はたまた日常生活に支障がない程度の視力であればそのままなのか、医師の判断によって異なります。
レーシック手術後にICL手術を行うことは可能です。実際に手術が受けられるかは目の状態にもよるため、まずは医師に相談の上、ICL手術の適応検査を受けてみてくださいね。
ICL手術の流れやメリット・デメリット、合併症等のリスクについても詳しく知りたいという方は、以下の記事に詳しくまとめていますのでこちらもぜひチェックしてみてくださいね!
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