ICL手術は高い安全性と有効性が世界中で広く認められており、日本でも症例数が年々増加傾向にある人気の屈折矯正手術です。
ICL手術は入院の必要がなく日帰り手術が可能ですが、手術の際にできる創口が非常にデリケートな状態になります。
今回は、ICL手術後のダウンタイムや術後のケアについて眼科医が詳しく解説いたします。
この記事でわかること
- ICL手術のダウンタイム
- ICL手術後の学校や仕事は休むべきか
- ICL手術後のケアや定期検診について
- ICL手術後にカラコンは使用しても大丈夫なのか
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ICL手術にダウンタイムはある?術後の制限について
ICL手術にはダウンタイムというものはありませんが、日常生活に完全復帰できるようになるまでには1ヶ月程度かかります。
ICL手術は角膜を3ミリ程度切開し、眼内レンズを挿入することで近視をはじめとする屈折異常を矯正する手術です。
術後しばらくは角膜の切開創が塞がっておらず、非常にデリケートな状態になります。
感染症やトラブルを防ぐため、術後約1ヶ月程度は日常生活に以下のような制限があります。
デスクワーク |
洗髪 |
洗顔 |
化粧 |
運転 |
シャワー |
入浴・プール |
カラコン |
飲酒 |
たばこ |
軽い運動 |
汗を伴う運動 |
⚫︎手術当日
手術直後は眩しくてピントが合いにくく感じたり、異物感を感じることがあります。
徐々に回復していきますが、手術当日は外出を控え、できるだけ目を閉じて安静に過ごすようにしましょう。
また、手術当日は瞳孔を開く目薬を使用しているため、手術当日の車の運転はできません。
車や自転車での来院は避け、公共交通機関などを利用して来院するようにしましょう。
⚫︎入浴、洗髪や洗顔
シャワー、入浴は翌日以降OKですが、肩より上はあまり濡らさないようにし、洗髪時は目に水が入らないよう十分に注意してください。
洗顔は1週間後から可能になります。
それまでは目の周りを避けて拭くだけにしておきましょう。
⚫︎仕事
デスクワークの方は翌日以降からOKです。
汗をかいたり重労働を伴う方は術後3日程度はお休みしてください。
重い荷物は1週間程度は持たないようにしましょう。
⚫︎メイク
メイクは術後1週間程度やめておきましょう。
特にアイシャドウやファンデーションは粉が目に入る可能性があるので控えてください。
スキンケアは目に入らないように留意した上で翌日から可能です。
⚫︎カラコン
ICL手術後、カラコンを使用することは問題ありません。
ただし、傷口が塞がっていない状態でカラコンを使用すると異物や細菌などが入る可能性があるので、最低でも術後1ヶ月以上は空けるようにしてください。
また、術後の経過の状態には個人差がありますので、3ヶ月以上空けるよう指示される場合もあります。
カラコンを使用したい旨を相談の上、医師の判断を仰ぐようにしましょう。
⚫︎スポーツ
汗に含まれる細菌が目に入ると感染症のリスクがあるため、以下のようなスポーツは一定期間しないようにしてください。
軽い運動は2週間程度空けましょう。
(例)ランニング、ゴルフ、スポーツジム、ヨガ、筋トレなど
汗を伴うような激しい運動は1ヶ月程度不可です。
(例)野球、サッカー、テニス、バレーボール、バスケットボール、スキー、スノーボード、ホットヨガなど
また、ICL手術は目の中にレンズを挿入する手術になりますので、激しい衝撃を受ける可能性がある格闘技は術後オススメできません。
顔や目に激しい衝撃を受けると、レンズがズレてしまい、視力に大きな影響が出ることがあります。
格闘技を続ける予定のある方はそもそもICLではなくレーシックなど他の治療法を勧められる可能性もありますのでカウンセリング時に医師に相談するようにしてください。
ICL手術後は学校や仕事を休んだ方がいい?何日休むべき?
ICL手術は入院する必要がなく、日帰り手術が可能です。
ですが、手術当日や翌日は日常生活における制限が特に多いため、学校や仕事は少なくとも手術当日と翌日の2日間は休むことをオススメします。
荷物を運んだり屋外で過ごす時間が多かったりと、汗をかくような作業を伴う方は傷口の回復のためにも術後3日ほど仕事を休むことをオススメします。
ICL手術後のケアや過ごし方、定期検診について
感染症やトラブルを防ぐため、術後は医師の指示を守って過ごすようにしましょう。
ICL手術で眼内炎などの感染症を発症した例は世界的に見ても6000人に1人程度と極めて稀な確率ではありますが、非常にデリケートな目の状態であることには変わりませんので、感染症やトラブルが起こらないよう術後の日常生活で注意を払う必要があります。
⚫︎点眼
ICL手術後、点眼薬や服用薬が処方されますので、指示に従って点眼・服用にするようにしてください。
抗菌剤や消炎剤の点眼薬、抗生物質の錠剤などが処方されます。主に炎症を抑える薬です。
点眼薬は1日4〜5回ずつと頻繁に点眼する必要があります。
面倒に思うかもしれませんが、自己判断で使用を中止すると炎症を起こして完治が遅れてしまう可能性があるので、必ず指示通りに点眼してください。
⚫︎保護メガネや保護サングラスの着用
傷口が開いた状態の目は感染症が起こりやすい状態です。
目元を守るために保護メガネや保護サングラスを着用してください。
屋外では埃、花粉などの異物や紫外線が目に入る可能性が高くなるため、外にいる時間が長い場合は必ず着用するようにしましょう。
また、就寝時に無意識に目を擦ってしまうケースも多いので、寝る時も保護メガネを着用しておくと良いです。
目に負担をかけないようにうつ伏せではなく仰向けで寝るようにしてください。
保護メガネは術後1週間、長いところで4週間程度の着用を指示されることがあります。
保護メガネがICL手術費用に含まれているクリニックも多いですが、別途購入が必要な場合もありますので事前に確認しておきましょう。
⚫︎術後の定期検診
ICL手術後は定期的に検診を受ける必要があります。
一般的に、手術翌日、術後1週間、術後1か月、術後3か月、術後6ヶ月は通院が必要となります。
その後は1年に1回程度の検診になります。
経過によっては医師から別途通院の指示があることもあります。
また、自分自身で違和感や変化を感じた場合は定期検診を待たずに早めに受診するようにしてください。
まとめ
今回は、ICL手術後の日常生活における制限や、術後の過ごし方について解説いたしました。
ICL手術は入院の必要がなく、日帰りで手術を受けることができる比較的ハードルの低い手術で、ダウンタイムもありません。
しかし手術時にできた目の傷口から感染症を起こすリスクが0ではありませんので、術後は医師の指示を守り、1ヶ月程度は日常生活の制限もあるということを理解しておきましょう。
学校や仕事がある方は手術当日と翌日の2日間は休みが取れるようスケジュールを調整して手術を受けることをオススメします。
ICL手術の流れについては以下の記事に詳細をまとめておりますので、こちらもぜひご一読くださいね。
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