視力の悪い方にとって眼鏡やコンタクトレンズは手放せないアイテムですが、そうしたものから解放され、裸眼の快適な生活が期待できる屈折矯正手術は魅力的ですよね。
近視や乱視をはじめとする屈折異常を矯正することができるとして、国内外で広く普及し、注目を集めてきたレーシック手術も、未だに人気のある屈折矯正手術の一つです。
レーシック手術と似たような手術に「PRK」という屈折矯正手術があります。
いずれもレーザーを用いて角膜の形状を変え、視力を回復する手術であり、似ている部分もありますが、手術の内容に大きな違いがあります。
どちらが自分に適しているか気になっているという方も多いことでしょう。
そこで本記事では、レーシックとPRKの違いについてわかりやすく解説いたします。
この記事でわかること
- レーシック手術とPRKの違い
- それぞれのメリット、デメリットや注意点
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レーシック手術とPRKの違い
レーシック手術とPRKはいずれもエキシマレーザーと呼ばれるレーザーを用いて角膜の表面を削り、屈折率を変えることで視力を改善する屈折矯正手術です。
レーシック(LASIK)は角膜上皮にフラップと呼ばれる蓋を作り、そのフラップの下の角膜実質にエキシマレーザーを照射し、その後フラップを戻す手術です。
一方、PRK(Photorefractive Keratectomy)はフラップを作成せず、角膜上皮を取り除き、角膜実質にエキシマレーザーを直接照射する手術です。
大きな違いは「フラップを作成するかどうか」です。
レーシックはフラップをめくって角膜実質をレーザーで削り、その後フラップを戻すため、レーザーで削った傷をフラップがカバーしてくれることで痛みがほとんどなく回復が早いというメリットがあります。
一方、PRKはフラップを作成しないため、角膜の厚みが足りずレーシックが適応外になった人が受けることができる、フラップによるトラブルがないなど、レーシックとは異なるメリットが存在します。
<レーシックとPRKの違い>
レーシック | PRK | |
手術時間 | 10分程度 | 5分程度 |
フラップ作成 | する | しない |
術後の痛み | ほとんどない | 痛みがある |
回復 | 早い | 比較的遅い |
視力の安定 | 早い(1ヶ月ほど) | 比較的遅い |
費用 | 両眼20〜40万円 | 両眼20~30万円 |
両目同日の手術 | できる | できない |
PRKと呼ばれる手術の中で近年ラゼック(LASEK)と呼ばれる手法も行われるようになっています。
*ラゼック記事リンク
レーシック手術とPRKのメリット・デメリット
レーシック手術とPRK手術の大きな違いはフラップを作成するかどうかである、という点を前章でお伝えしました。
ここからはレーシック手術とPRKのそれぞれのメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
レーシック手術のメリット
- 回復が早い:術後数日、早くて翌日には視力の改善がみられ、1ヶ月程度で安定する
- 痛みが少ない:フラップを作成するため術中術後の痛みが比較的少ない
レーシック手術のデメリット
- 角膜の厚みが必要:角膜が薄い人は適応とならない場合がある
- ドライアイ:術後目の感想や違和感を感じることがある
- フラップトラブル:フラップがずれたりシワが生じるなどトラブルが起きることがある
- 両目を同日に手術できない:傷口が広いため感染症のリスクが高いため同時に両目手術が受けられない
PRKのメリット
- 角膜が薄い人でも受けられる:フラップを作成しないため角膜の厚みがレーシックほど必要とならない
- フラップトラブルがない:フラップをそもそも作成しないためフラップトラブルが起きない
PRKのデメリット
- 回復に時間がかかる:角膜上皮細胞が再生して視力が安定するまでに1週間から数ヵ月かかる
- 術後の痛みがある:取り除いた角膜上皮細胞が再生するまでの間は痛みがある
このようにレーシック、PRKにはそれぞれ異なるメリット・デメリットが存在します。
角膜の厚みなど適応も異なるため、どちらの視力矯正手術がご自身に適しているかは、診察・検査を経て医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
今回は、レーシックとPRK手術の違いについて解説いたしました。
いかがでしたでしょうか。
いずれもエキシマレーザーを用いて角膜を削り、屈折率を変えることで視力を回復する手術ですが、フラップを作成するかしないかという違いから、メリット・デメリットも異なることがわかります。
目の状態は一人ひとり異なります。
角膜の厚みや状態によって、どの屈折矯正手術が適切であるか変わってきますので、検査を受けた上で医師の判断を仰ぎ、しっかりと相談の上手術を選択するようにしましょう。
レーシック手術の流れやメリットやデメリット、手術のリスクなどについてより詳しくレーシックについて理解を深めたい、という方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてくださいね。
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