結膜炎は、白目(しろめ)とまぶたの裏側を覆っている半透明な膜(結膜)に炎症が起こる病気です。
主な症状として、白目の充血、目やにの増加、まぶたの腫れ、かゆみなどが現れます。
今回は、結膜炎とは何か、結膜炎の症状や原因について解説するとともに、ICL手術を受けて結膜炎になる可能性はあるのか、についてお話ししていきたいと思います。
この記事でわかること
- 結膜炎の症状や原因
- ICL手術を受けて結膜炎になる可能性
<< 当サイトの記事はすべて眼科医が監修しております >>
結膜炎とは?結膜炎の症状や原因
結膜炎は、目の表面を覆っている結膜(けつまく)という半透明な膜が炎症を起こす病気です。
結膜は白目の部分やまぶたの裏側にある薄い膜です。
主な症状は充血や目やにです。
他にも目がかゆくなったり、涙の量が増えたり、目の中がゴロゴロする異物感や痛みを感じることもあります。
結膜炎の種類によっては、発熱やのどの痛みなど、目以外の症状が現れる場合もあるため、違和感を感じたらすぐに病院を受診するようにしましょう。
結膜炎は眼科疾患の中でも発症件数が多いため、日常的に起こりやすい病気と軽視されがちです。
しかし適切な治療を施さないと視力低下などの後遺症を引き起こす危険性もあるため、放置せず早めの眼科受診をおすすめします。
結膜とは
結膜とは、上下のまぶたの裏側から白目の表面までを覆っている半透明の薄い膜です。
目の中に異物が入るのを防いだり、表面を涙の層で覆うことで目に潤いを与える役割があります。
結膜は外界からの刺激を受けやすく、袋状の構造のため異物がたまりやすいといった特徴があります。
また、血管やリンパが豊富なことから細菌やウイルスが繁殖しやすい環境となっており、炎症を起こしやすい組織です。
結膜炎の主な症状は以下の通りです。
- 目の赤み:目が充血して赤くなる
- かゆみ:目の周辺がかゆくなる
- 異物感:目に何かが入っているような違和感がある
- 腫れ:まぶたが腫れて痛みを感じることがある
- 目やにが多くなる:黄色や緑色の目やにが出やすくなる
- 涙が多くなる:涙が多くなり止まらなくなることがある
上記のような症状が現れ始めたら結膜炎の可能性があるため、速やかに眼科を受診するようにしましょう。
結膜炎は一般的にウイルスや細菌、アレルギーなどが原因で発症します。
原因や症状によって結膜炎は以下のように大きく3種類に分けられます。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎はウイルス感染が原因の結膜炎で、流行性角結膜炎・急性出血性結膜炎・咽頭結膜熱の3種類があり、原因となるウイルスがそれぞれ異なります。
充血の症状が強いという特徴があり、目の症状が出る前にリンパ節が腫れる傾向があります。
周囲の人に伝染しやすく、集団感染を引き起こすリスクもあるため注意が必要です。
細菌性結膜炎
細菌性結膜炎は、結膜が細菌に感染して引き起こされる結膜炎です。
主な症状は、目の充血、かゆみ、涙目、目やにの発生などで、重症化すると角膜炎や網膜炎などの合併症を引き起こすことがあるため、速やかに眼科を受診する必要があります。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎とは、目の表面に花粉などアレルギー反応を引き起こす物質が付着することで起きる結膜炎です。
花粉など特定の季節にのみ症状があらわれるアレルギー性結膜炎は「季節性アレルギー性結膜炎」、一年中症状がみられるものは「通年性アレルギー性結膜炎」と分類されます。
他にも幼少期に発症し学童期に多いとされる「春季カタル」や、コンタクトレンズ装用者によくみられる、瞼の裏に乳頭状のブツブツが形成される「巨大乳頭結膜炎」などがあり、これらは重症の結膜炎です。
ICL手術を受けて結膜炎になることはあるの?
ICL手術は比較的安全性の高い視力回復手術ですが、手術である以上感染症等が起きるリスクは0ではありません。
ICL手術を受けることによって結膜炎になる可能性は限りなく低いですが、逆にICL手術を受ける前に結膜炎になってしまった場合は手術の日程を再調整する必要があります。
ICL手術の代表的な合併症の一つとしては「眼内炎」があります。
発症は非常に稀ですが、ICL手術で作られた創口から細菌が侵入して増殖することで眼内炎が起きることがあります。
そうしたICL手術のリスクについても理解をした上で手術を検討するようにしましょう。
ICL手術を受けるためにはまず適応検査を受ける必要があります。
適応検査・カウンセリングを通じて自分にとってICL手術が最適な屈折矯正治療なのかをまずは判断し、手術日程が決まったら術前検査を通じて結膜炎などが起きていないか、目の状態が良好かどうかについても確認し、当日手術に臨むことになります。
ICL手術についてより詳しく知りたいという方はぜひ以下の記事もご一読くださいね。
まとめ
今回は、結膜炎とは何か、結膜炎の症状や原因について解説するとともに、ICL手術を受けて結膜炎になる可能性はあるのか、についてお話しいたしました。
結膜炎は、上下のまぶたの裏側から白目の表面までを覆っている半透明の薄い膜である結膜に炎症が起きている状態であり、目のかゆみや充血、まぶたの腫れなどを伴うことが多いです。
ICL手術によって結膜炎になる可能性は非常に低いですが、手術前に結膜炎になってしまった場合は治療を施すなどして健康な状態になってから改めて手術をすることになりますのでご注意ください。
ICL手術の流れや費用相場、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたいという方は以下の記事もぜひご一読くださいね。
↓↓↓↓